1月7日・8日の2日間にわたり、東京ドームにて「FINAL FANTASY XIV」(以下、FF14)のファンフェスティバルが開催された。レフトスタンド付近に設営されたサブステージでは「麻雀大会 2024 in ファンフェスティバル」を実施。ゲーム内の人気コンテンツである「ドマ式麻雀」のリアル対局が行われ、熱い戦いが繰り広げられた。
FF14はユーザー数3000万アカウントを超え、日本だけでなく全世界で多くのファンを持つ人気オンラインRPG。「ドマ式麻雀」は、同ゲーム内のミニゲームながら本格的なオンライン麻雀が楽しめるということで、ゲームの本編を差し置いてハマる人も続出するなど、ゲーム内でも多くのファンを持つコンテンツとなっている。
今回行われる麻雀大会はもともと、FF14の開発陣がゲストと麻雀を打つ「新春麻雀大会」として実施されていたもの。今年はファンフェスティバルの開催に伴い、会場内に特設ステージを設け、ファンの前で対局の様子を公開することになった。
本対局に使用される麻雀卓は、Mリーグでも使用されている大洋技研「REXX Ⅲ」の特注品で、卓にはタイトルやゲームのキャラ「スプリガン」の刻印がある。そして使用する麻雀牌は「ドマ式麻雀」のものを再現、ピンズがゲーム内に登場する「ナマズオ」、ソーズの1sは「サボテンダー」など、牌の柄がオリジナルのものになっている。
対局の実況は、Mリーグ公式実況である日本プロ麻雀連盟・日吉辰哉プロが担当。解説はFF14のヘビーユーザーで、YouTubeチャンネル「ドマ式麻雀山田塾」を運営するなどゲームに造詣が深い、101競技連盟・山田史佳プロが務めた。
対局では名場面・珍場面が続出し、日吉も普段のMリーグを超えるかの勢いで絶叫を連発、ワードチョイスも絶好調。DAY2の第1試合ではそんな日吉の思いに呼応するかのように、オーラスで全員が2万点台となる「全員集合」の状況が生まれ、メインステージに勝るとも劣らない熱気と盛り上がりが生まれていた。
また、一方では山田プロと共に、麻雀用語をFF14用語に言い換えたり、打点を呪文の強さにたとえたりするなど、麻雀に詳しくない人にも分かりやすいような工夫をするといった配慮も。本対局はニコニコ動画で生配信されており、コメントを見る限り、初めて日吉の実況に触れたFF14ファンにもかなりの好評だった様子。こちらはアーカイブも残っているので、Mリーグファン・日吉ファンとしても必見だ。
会場は麻雀とFF14、そして東京ドームという独特な空間が生み出す素晴らしい雰囲気に包まれ、レフトスタンドに集まった多くのファンの間にはたくさんの笑顔が溢れていた。今回のイベントによって、FF14ファンと麻雀ファンの間で新たなシナジーが生まれることを、大いに期待したい。
「僕はFINAL FANTASY(以下、FF)をやったことがあったんですけど、こういうファンイベントに来たのは初めてで、規模の大きさにびっくりしました。麻雀は今すごく盛り上がっているとはいえ、まだまだ知らない人がたくさんいる世界なので、FFの世界観・規模観を見たらやっぱりまだまだ麻雀はこれから頑張らなければいけないと、痛切に思いました。
今回は麻雀を知らない人がいつもより多い会場だったので、技術的な話よりも麻雀の面白さみたいなものを、プレーヤーを通じてお伝えできればと思っていました。今後、麻雀の人がFFをやるきっかけになればいいですし、FFをやっている人が麻雀をやるきっかけになればいいですし、そこで相乗効果があればもちろんいいのですが、業界としてはゲームの業界の方が圧倒的に大きいので「麻雀とコラボしてよかったな」と相手に思ってもらえる、そして大きな影響・利益を得てもらえるような状況になるよう、我々は頑張らないといけないと思います」
山田史佳プロ
「自分は麻雀プロでもありますけど、根っからのヒカセン(※光の戦士=FF14プレーヤー)なので、これだけヒカセンが集まった中で麻雀ができたこと、解説ができたことを非常に光栄に思っています。
もともと対人戦の要素がFF14にはあったのですが、そこに新たな麻雀という対人ゲームが追加されたことで、麻雀から入る人が増えたんです。あるいはFFしかやっていなかったけど麻雀を知らなかった人が麻雀をやるという架け橋になっているので、麻雀プロとして、裾野がどんどん広がっていることをうれしく思います。お客さんも盛り上がっているのが見えて、やはりそういうものを感じられるのは感無量のひと言に尽きます。まさか東京ドームでやるとは思っていなかったので、この舞台に立てたということで、自分の中では一つの大きな成長につながったと感じています。
こういうイベントを通じて、麻雀に触れたことがない人が少しでも興味を持ってくれたら、それはプロ冥利に尽きることです。麻雀のプレーヤーがどんどん増えて「麻雀って楽しいよね」と思ってもらえることが何よりの喜びになっているので、そこが今後の目標になってくると思います」
FF14ファンフェスティバル サブステージ紹介ページ
https://fanfest.finalfantasyxiv.com/2023-24/jp/program/#sub_stage
ファイナルファンタジーXIV 麻雀大会 2024 in ファンフェスティバル – Day 1
ファイナルファンタジーXIV 麻雀大会 2024 in ファンフェスティバル – Day 2
FF14ドマ式麻雀山田塾
https://www.youtube.com/channel/UCqg-xZR4_rv9Qc62ySiCSMw
当日の様子
真剣勝負を繰り広げる対局者。なお、ヘッドホンで外部の音は聞こえないが、実況席からの呼びかけには対応できる仕組みになっている。
実況席の様子
ブースにはFF14のキャラクターが
オリジナル牌のプレゼント企画も実施
対局では名場面・珍場面が続出。鋭いアガリや、まさかのダブロンも
立ち上がってスタンドの観客をあおる日吉
アガリを決め、ファンに向けてガッツポーズ
近代麻雀も紹介していただきました(※DAY2 1時間30分くらいから)
DAY2は、齊藤陽介さん(スクウェア・エニックス取締役)が逆転のチートイツを決めて優勝!
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。