幻想を抱かせる魔法使い 菅原千瑛【Mリーグ2023-24観戦記 1/12】担当記者 小林正和

あなた
(えっ…。)

きっと同じ表情を浮かべるだろう。

実はこの待ちには菅原の罠が仕組まれていたのだった。

下の牌図をご覧頂きたい。

それは2巡目の選択に隠れていた。

受け入れ枚数、赤牌やピンフを考慮すると【4マン】【6マン】の二択だろう。
また1打目の南家・瑠美の【7マン】や北家・渋川の【1マン】により、【4マン】は相手の手牌に組み込まれている可能性が高くなっている。
つまり、【6マン】の方が暗刻になりやすいのだ。

それにも関わらず菅原は【6マン】を選択。

その意図は…
もちろんシャンポン待ちが残った場合の【9マン】の出アガリ率を高める為である。

リーチを受けた相手の心理を上手く操った一局であった。

東1局1本場

いきなり手痛い12,000の失点となったあなた。

しかし、次局も親の菅原が少し派手な捨て牌から【1ソウ】をポンと前に出て来ている。役はトイトイ!?あるいは役牌!?

Q.さて何を切る?

(シンキングタイム…)

A.【2ピン】切りを選択したあなた↓

菅原
「ロンっ! (本日2回目)」

【發】・赤・ドラ
【2ピン】【5ピン】待ち7,700は8,000点に放銃へ。

あなた
(えっ…。)

きっと同じ表情を浮かべるだろう。(本日2回目)

実はこの待ちにも菅原の罠が仕組まれていたのだった。

下の牌図をご覧頂きたい。

① 5巡目に嬉しい【發】が暗刻になった直後に【發】が打たれる。
② そして次巡に【2マン】引きで完全イーシャンテンとなった所で【4ソウ】を手放す。
【2ピン】チーテンをスルー。
④ 安全な【4ソウ】と入れ替えず【7ソウ】をツモ切り。
という過程を踏んでいる。

詳しく追っていくと
まず①により手牌の情報を晒す事なく一役確定できた偶然がこの局の始まり。
②より門前率が高まったので③のチーテン5,800に頼らなくても良くなったが
【1ソウ】ポンの7,700は子の満貫相当なので今回はその選択をする。
そして、④の河に【4ソウ】並べずにテンパイ取る事で相手によりトイトイの手役を強く印象付ける事ができるという見えない幻想が創り出されていた。

一局挟んで
東1局2本場

今度は“二階堂瑠美”の視点で見て頂きたい。

序盤ながら上下差ができ、自身は2番手争い。
この局は幸先良く先制ピンフリーチが打てるが場に【3ピン】が2切れで、親の菅原が【西】のトイツ落としをしている…。

Q.さてリーチ!?ヤミテン!?どうする?

(シンキングタイム…)

A.ヤミテンを選択したあなた↓

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