熱論!21人のMリーガー
二階堂亜樹・EX風林火山
〜その笑顔が見たい!
日本で一番、
愛されているプロ雀士〜
文・梶谷悠介【EX風林火山担当ライター】
さて、滝沢和典、勝又健志、二階堂亜樹という日本プロ麻雀連盟所属の3人からなるこのチームの紹介を、最高位戦所属の私がするということは感慨深いものである。
今までこのようなことがあっただろうか?もはや所属団体が~などと言っている場合ではないのかもしれない。麻雀界に関わるすべての人間が、麻雀界を盛り上げようという時期にきている。Mリーグの開幕をきっかけに着々と時代は変わりつつあるようだ。
と、堅苦しい話はここまでにして、前半戦を終えた風林火山の魅力をたっぷり伝えていくことにしよう。
チームの魅力その1
美男、美女、そしてかわいい。
画像からも一目瞭然だが、なんと華やかな見た目。それでいて全員のプロ歴は20年近くになる。牌さばきもきれいで打っているだけで絵になる。後述するが勝又が何に似てかわいいかもひとまず決着がついたようだ。
チームの魅力その2
結束力
年齢は滝沢が39で、勝又と亜樹が37とほぼ同世代だ。プロ入会年は亜樹が他2人よりも1年先輩だがこちらもほぼ同期と言っていい。このチームほどお互いを知り尽くしているチームはないだろう。SNSでも仲の良いところが散見され、見ている側もほのぼのしてくる。
チームの魅力その3
ユニフォーム
シーズン途中で行われたファンが選ぶかっこいいユニフォーム投票で、堂々の1位を獲得したデザインがこちらだ。チームカラーに用いられている赤は、戦国武将の武田の赤備え(武田軍の武将が武具を朱塗りして武勇の象徴としていた)から来ているのかとにかく目立ってかっこいい。
チームの魅力その4
守備的麻雀スタイル
以下のデータを見て欲しい。
(12/21終了時点)
副露率19.23%(チーム5位)
リーチ率17.85%(チーム最下位)
放銃率8.92%(チームトップ)
ラス率9.3%(チームトップ)
54試合1着12回(22.2%)
2着14回(25.9%)
3着23回(42.6%)
4着5回(9.3%)
平均順位2.39
全チーム中もっともリーチをかけず、もっとも放銃をしない、そして全54試合中ラスをひいたのは5回だけと驚異のラス回避率を見せた。確かにこれまでの試合を振り返っても、チーム全体で愚形リーチを嫌う傾向にあり、テンパイしていても危険牌をひけばオリてしまうということがよくあった。
通常そのようなスタイルだと3着が多くなりジリ貧で負けそうだが、連対率も約48%と悪くなくラスが少ない分着々とポイントを増やし199.2ptの2位で今年を終えることとなった。
愚形リーチを嫌うと言ったが、場況的に良い待ちならカンチャンやシャンポンでもリーチを打つ。守備型というよりは状況に合わせた自在型といったほうがいいのかもしれない。耐え難きを耐え、勝負所で一気に攻める。手数が少ない分ファンはやきもきしてしまうが、劣勢から跳ね返す麻雀を見て爽快感を覚えること間違いなしだ。
それでは選手個人を見ていこう。
二階堂亜樹
2019年でプロ生活20年目を迎えるというのにこの可愛さは一体どうしたことだろう。
亜樹の魅力はおいおい語って行くとして、前半のハイライトは…例のあれだ…ファンなら当然覚えているであろう。事件は10月11日に起こった。
10月11日
このゴージャスな手から何を切るか。
いや、何を切っても良さそうだ。まさかこの手が悲劇を生むなどこのとき誰が予想できただろう。
亜樹はを選んだ。
手だけ見ればピンズの4連形を残す切りが良さそうである。
亜樹は下家の近藤の捨て牌を見た。いかにも筒子に染めてそうだ。このとき亜樹はトップ目だったが、2着目で迫ってくる近藤の嫌う色の待ちに合わせてダマで打ち取るといった構図を思い描いていたに違いない。ドラがというのも残しを後押しした。
だがこのとき、近藤は筒子をほとんど持っていない。
しかしそれでも近藤の手と比べてスピードに差がありすぎる。亜樹の有利には違いない。
直後に持ってくるのは最も持ってきてほしくなかったである。
思わず表情をしかめる亜樹。