以上の4チームが、今シーズンのファイナルを戦う。
ファイナルは全16試合。僅か2週間の短期決戦だ。
来週5月6日月曜日から。今シーズンの覇者を決める戦いを、是非見届けて欲しい。
南4局
ファイナル進出の可能性が潰えてしまった後の、寿人の打ち回しが印象的だった。
寿人の配牌。
これが親番に来てくれれば、と思ってしまうほどには、良い配牌だ。
途中までまっすぐに手を進めていた寿人だったが、6巡目を過ぎたここで、を切り出すと。
その後は、手牌の形を完全に崩した。
自分のアガリを選ばず、ファイナルが残っている3チームに、この試合の結果を委ねたのだ。
この、いわゆる目無し問題に、明確な答えはない。
けれど、寿人のこの姿勢に、私には、ある打ち手の姿が重なった。
2年前。
21-22シーズンのファイナル最終戦。
その舞台で、KONAMI麻雀格闘格闘俱楽部のユニフォームに袖を通して戦っていたのは、寿人のチームメイトであり、盟友の、滝沢和典だった。
滝沢は、親番ではアガリを重ねて、ファンをわかせたものの、親番が落ちてからは、優勝の可能性が無くなり。
そこからは、徹底して試合を邪魔しないスタンスを貫いた。
決して長い時間を使うことなく。
放銃も、鳴かせることもなく。
激戦を繰り広げる3チームの選手に、全てのファンが熱狂する中、ひとり静かに、粛々と打ち続けた。
この姿勢が正しいかどうかの議論を、ここでするつもりはない。
しかし、私はこの日の滝沢と、そして今日の寿人を見て、美しい、と感じた。
トッププロとして数々の決勝の舞台を経験してきたからこそできる、麻雀だと思うから。
その姿勢を貫きながら、同時に悔しさももちろんあったはずだ。
あの時の滝沢も、今日の、寿人も。
今日で、KONAMI麻雀格闘俱楽部の今シーズンは終わりを告げた。
格闘俱楽部は、まだMリーグ優勝を果たしたことはない。
毎年優勝候補の一角と言われながらも、あと一歩のところで逃している。
この悔しさがいつか、優勝の瞬間の喜びに昇華されると信じて。
KONAMI麻雀格闘俱楽部はこれからも戦い続ける。
最高位戦日本プロ麻雀協会47期前期入会。麻雀プロ兼作家。
麻雀の面白さと、リアルな熱量を多くの人に伝えるため幅広く活動中。
Twitter:@Kotetsu_0924