小林が一盃口ドラドラ。5200は5500のアガリを決め、これで小林が押し切る⸺
かに見えた。
南4局1本場、トップを目指して仕掛けていた小林に、
またもや、勝又のリーチが襲いかかる。
小林は、
手詰まりを起こしてしまう。
中筋になっているは、いかにも選ばれそうな牌だ。
24のカンチャン待ちにするなら、ドラがなのでを切っていることだろう。
しかし、は勝又のアガリ牌。しかも小林が持っているのは赤だ。
大ピンチの小林。
“ピー・・・カシャカシャ”
(を切ってもあとが続かないから…)
“チーン!”
(形をキープして回ろう!)
を切って放銃を回避した!
も勝又のリーチ宣言牌のそばで切りにくいが、を2枚並べている間に、切りたい牌が通ることもある。
勝又が3巡目に切っているを見て、外側のをトイツ落とし。そうすることで、マンズの三面張部分は壊さないようにして、テンパイやアガリの道も残した形だ。
かくしてこの局、親リーチへの放銃を回避した小林が、
次の局に自らアガって勝負を決め、見事トップに。
Piratesの今シーズン初勝利を獲得した。
もう一度、選手紹介の写真を載せるが、
この4人はMリーグの歴史そのものだ。
数年前からみている人は、顔ぶれを見るだけで名シーンが脳裏に浮かぶことだろう。
ただ、今年見始めた方も、引け目を感じる必要は微塵もない。
むしろ、私は羨ましくすら思う。
なぜなら、過去を辿ることで、珠玉の名勝負を今から思う存分堪能出来るからだ。
そして、ずっと楽しみにMリーグを見ている人も、ワクワクしつつ新しく見ようとする人も、未来で必ずや繰り広げられる名勝負を、共にこれから胸に刻んでいこう。
今年もまた、Mリーグの歴史が動き始めた。
京大法学部卒の元塾講師。オンライン麻雀「天鳳」では全国ランキング1位。「雀魂」では4人打ち最高位の魂天に到達。最近は、YouTubeでの麻雀講義や実況プレイ、戦術note執筆、そして牌譜添削指導に力を入れている、麻雀界では知る人ぞ知る異才。「実戦でよく出る!読むだけで勝てる麻雀講義」の著者であり、元Mリーガー朝倉康心プロの実兄。x:@getawonarashite