僅差のオーラスらしいシーンだ。
これで黒沢はイーシャンテン。
もう一人、

茅森もイーシャンテンとなっていた。

(黒の牌は、そのタイミングでチーされたことを表す。は黒沢の仕掛けとドラ表示牌の2枚見え。)
難しい手だが、
が残り2枚なので、茅森は、

打とした。
アガリトップなので、ドラから待ちを離したいところでもあろう。
次の手番で、

こんなに薄いがやってくるとは。
来てほしいときには来てくれないのに。
気まぐれなドラ神様に、茅森と伊達が翻弄されるオーラス。
そんな中で、

太にテンパイが入った!

はパラパラと切れている。しかも、リーチ棒を出すと放銃してラスになる可能性すらある。
太は、

リーチだ!
局収支で勝ってきたネット雀士のヒーローが、この手をリーチしないわけがない!

これをツモり、裏を乗せての4000オール。
ここでリーチをかけなかった場合は、

南4局1本場に出た、伊達のリーチ一発ピンフドラ赤裏の12300で、まくられていた可能性も高い。
オーラスに勝負をかけて、最大限の加点に成功した太が、激戦を制してトップを獲得した。


「麻雀の最適解」を求めて、今なお進化し続けるネット麻雀の星は、我々にどんな未来を見せてくれるのだろうか。
全国から渡辺太を応援するネット雀士たち、そしてMリーグやプロとしての姿を見てファンになった人たちの声援は、

これからも大きく、そして「太く」、響き続けてゆくに違いない。

京大法学部卒の元塾講師。オンライン麻雀「天鳳」では全国ランキング1位。「雀魂」では4人打ち最高位の魂天に到達。最近は、YouTubeでの麻雀講義や実況プレイ、戦術note執筆、そして牌譜添削指導に力を入れている、麻雀界では知る人ぞ知る異才。「実戦でよく出る!読むだけで勝てる麻雀講義」の著者であり、元Mリーガー朝倉康心プロの実兄。x:@getawonarashite