他を寄せ付けず高打点を
アガリ倒す近藤と松本。
痛み分けとなった大激戦
文・危険な鬼太郎【月曜担当ライター】2022年3月21日
セミファイナルは16戦の短期戦で上位4チームが決勝に進めるルール。レギュラーシーズンより試合数がかなり減っているが、その分戦うチームも6チームに減って直接対決する機会が増える。故にポイントの変動が物凄く起こりやすい。
2019年シーズンの例で言えばパイレーツは6位でレギュラーシーズンを突破し、4位で決勝まで残り優勝までした。果たして今期はどの4チームが勝ち上がるのか…。
【2回戦】
東家:松本吉弘(渋谷ABEMAS)
南家:近藤誠一(セガサミーフェニックス)
西家:石橋伸洋(U-NEXT Pirates)
北家:勝又健志(EX風林火山)
東1局 親・松本 ドラ
石橋が早くも3巡目からのリャンメンチーをして発進。
ドラの単騎のチャンタを目指しに行く。この仕掛けは割とスタンダードな鳴きに見える。
をスルーしてメンゼンに拘っても速度が遅くなりがち。しかもなまじこのをスルーしてしまうと後のポンもしにくくもなる。そして石橋はすぐにがポンでき、
アガリ牌はドラ単騎でイマイチな待ちではあるものの、一応はこの巡目で5200の聴牌。そして石橋はすぐにこのドラを手元に引き寄せ、
チャンタドラドラの1300-2600のツモあがり。レギュラーシーズンは不調で苦しんだ石橋。このセミファイナルで持ち味を発揮できるか。
東2局 親・近藤 ドラ
親番の近藤が1枚目からをポン!
リャンメンカンチャンの赤1のそこそこの型のイーシャンテン。他家もあの腰が重い事で有名な近藤が1枚目の字牌から鳴き、かつ自身の手牌もあまり良くなかったので粘らずに牌を中抜いてまでベタ降りを始める。
近藤の字牌の2鳴きはさほど怖くないが、1鳴きは打点が高そうに見えて恐ろしい。
巡目が進み、近藤は道中でドラの2枚やらを引いて2900点だった手牌が12000にまで変化しついに聴牌。
近藤はを切ってに受けず、ここは打としてドラのとのシャンポン待ちを選択する。
は自分の目から4枚見えており、が場に1枚切れているので枚数重視でリャンメン待ちに受けるかと思ったが、ここは勝又の第一打がで松本にが早めに切られているの状況が良いと見たか。
その後、勝又がフリテンターツのを引き戻して、
待ちのピンフリーチを打つものの、
勝又がドラのを掴み、近藤に、ドラ3、赤の12000の放銃。近藤はアガリの回数こそ他の選手と比べて少ないものの、アガりの打点が他と比べて高すぎる。
その後、松本が勝又からリーチピンフドラドラの8000点をアガるなどして、勝又以外の3者が接戦の状態で南入をする。
南1局 親・松本 ドラ
近藤が4巡目にして化け物級のイーシャンテンの手が入る。
早くもタンヤオドラ4のリャンメンリャンメンのイーシャンテン。さしもの近藤でもこの接戦ならば、ものどちらもチーする事だろう。
そしてすぐに上家の松本からが切られ、これを当然近藤は
スルー…! これをスルーする胆力がもう信じられない。この巡目での8000点の聴牌が取れるというのに。こんな麻雀を見せられればそりゃあ東2局でを1鳴きしただけで皆がベタ降りを始める訳だ。
逆に言えば近藤はこんな早くにリャンメンチーしてしまえば、ドラ3が他家からバレバレになってしまうので鳴けなかったのだろう。小林剛の鳴きと近藤の鳴きは意味合いが違いすぎる最たる例か。
しかし数巡経って近藤は松本に切られたを渋々チー!
他家に先んじられてしまうのを恐れての鳴き。この巡目が近藤のデッドラインだったか。
この近藤の鳴きは他家から見て明らかにおかしい。近藤の捨て牌は平凡で、場に1枚も見えていないのターツを鳴いている。速度は分からないが、たとえ鳴いている選手が近藤じゃなくてもドラ暗刻仕掛けを警戒してもいい場面に見える。
ここで石橋が聴牌をして即リーチ宣言!
を暗刻にしてリーチ、、赤のカン待ち。このは山にたくさん残っていたものの、ここで石橋は
を掴んでしまい近藤に8000点の放銃。石橋もトップを取るためにリスクを取って攻めたものの、手痛い放銃となってしまった。
南2局 親・近藤 ドラ
松本が789の三色イーシャンテンの手牌から長考。