「より速く、より高く、より強く」〜鈴木優のクレバーな立ち回り【Mリーグ2024-25観戦記 10/25 第1試合】担当記者 千嶋辰治

冷静にヤミテンを選択した優に、ご褒美のような345三色へのスライド!
流れるように高めハネマンの大物テンパイになった。

目の前の手は最終形に仕上がったから、「最終形につきリーチ」を選択する打ち手はいるだろう。高めツモ、あるいは安めでも裏1で倍満だからだ。
しかし、優はここでもヤミテン。
この判断が吉と出た。

もしも優がどこかでリーチとしていたなら、簡単に切られなかったであろう【赤5ピン】
これが多井から放たれ、寿人がチー。

 

すると、堀の手元へ行くはずだった【3ピン】が優の右手で輝く。

「ツモるならリーチなのでは?」
と思われた方、ちょっと待ってほしい。
リーチ後の世界では【赤5ピン】は簡単に切られなかっただろうし、そうなった時に【3ピン】が堀から切られていたかどうかはわからないのだ。

ヤミテンのまま押し切った優の「強さ」が手繰り寄せた3,000-6,000。
この一撃で戦況を有利にした優は、

南1局1本場チンイツ満貫をツモアガって中押しに成功。

オーラス1本場をご覧の状況で迎えた。

優は頭ひとつリード。
注目は熾烈な2着争いか?

アガればトップの優だったが、

ご覧のとおりで自力決着への道のりは遠い。
ならば、と優は、

衝撃の第一打ドラ切り。

寿人、堀に対して役牌を鳴いてほしいとは思ったが、その際に満貫直撃やハネマンツモのリスクを考えた。
役牌→ドラの順で鳴かれるとその危険があるため、まずはドラから切り出してポンがないかどうかを確かめたかったとのこと。

と、本人が深夜の牌譜検討で語っていたが、親に叩かれる可能性もある。
このドラ切りは、自らがアガりに向かわずとも戦わねばならないのだという優なりの姿勢なのだろう。

ドラに声がかからなかったことを確認した優は、この後はアシストに徹することに。

親の多井が切り出した【1ソウ】に反応したのが寿人。

 

トップまではハネマンツモが必要なため、ホンイツコンサルタントが現実的な2着取りへ動く。

ラス抜けのため直線的な手筋を踏まざるを得ない多井、

立て続けに【3ソウ】を被せるが、これは寿人の急所。

 

これでイーシャンテン。

この一連の動きを眺めていた優。
ゲームセットのためにアシストへ。

 

満貫が打てない優。
寿人がまだイーシャンテンと読んで、ション牌の【中】【發】を先に切る。
もしもこれが鳴かれても満貫になる牌を打たなければ良い。
多井に連荘の隙を与えないためにも、アシストの切り順はとても重要。

この【西】で寿人はテンパイ。

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