俺が復調したら
サクラナイツは無敵
内川幸太郎、3人の試練を
乗り切ってとった珠玉の1勝
文・ZERO/沖中祐也【木曜臨時ライター】2022年3月31日
【第1試合】
東家:松本吉弘(渋谷ABEMAS)
南家:魚谷侑未(セガサミーフェニックス)
西家:滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
北家:内川幸太郎(KADOKAWAサクラナイツ)
あなたの両親、あるいは親戚や同僚はMリーグを知っているだろうか。
ファンは年々増えているとは言え、まだメジャーになったとは言い難い現状で、麻雀観戦は孤独になりがちである。
ともすれば、世の中でMリーグを見ているのは私だけなのでは… という錯覚に陥ることがある。
しかし今夜、その幻想が六本木の熱気によって溶けていった。
およそ2年ぶりとなる大規模PV「プレミアムナイト」の開催である。
各チームのバルーンを手にしたファンたちが集い、思い思いに声を上げる。
選手たちも、モニターの向こう側には熱いファンがいることを再確認し、勇気づけられたのではないだろうか。
ただでさえ負けられない戦いが続くセミファイナルに、さらに負けられない理由が加わる。
出場選手はPV会場の六本木からMリーグスタジオのある浜松町まで移動し、1戦目が始まった。
そのうちの1人。
内川にいきなり試練が訪れる。
試練① 魚谷侑未の読み
対面のリーチ、下家の親のダブポンに対し、手詰まってしまったのだ。
リーチの筋であり、2枚持っているを切ると…
ピンズが安い場においてもも期待できると、タンヤオドラドラでありながらリーチに踏み切った魚谷の好判断となった。
こうやって自分の名前を掲げて応援されるなんて、選手たちはどれだけ嬉しいだろう。
さて放銃となった内川だが、こうなることはある程度予見していたのだ。
遡ること2巡目。
まともに手を組むことを放棄したかのような選択だ。
端牌や字牌を抱えていつでもオリれるようにしつつ、チートイやトイトイを狙うという判断。
その準備のおかげで魚谷のリーチにもしばらくは安全にオリていたのだが、ついぞ安全牌が尽きて放銃してしまったというわけ。
アガって持ってきた親番で…
(でチーしています)
をツモってテンパイし、音速でを河に放った。
このとき、対面の内川からリーチが入っていたのだ。
たしかに自身はタンヤオドラ3のテンパイではある。
しかし決してアガりやすいとはいえないドラ単騎、さらに内川の捨て牌を見るとかなり不穏であり、特にマンズは切りづらい。
さらにハイテイでツモってきたのが
これはもも通っていない両無筋、さすがにハイテイで切る牌ではない… と誰もが思ったその刹那
をぶった切ってテンパイを維持した。
せっかく得た東1局のリードをフイにしてしまう可能性のある押し。
魚谷は内川のリーチをチートイツと見切っていたのだ。