もう一度捨て牌を見てみよう。
→という切り出しが異常である。ドラがなのでというターツは最優先となるケースがほとんどで、選ばれるケースとしてはという二度受けを嫌うケースが真っ先に浮かぶ。しかしそれはが4枚見えて否定。他にはチャンタやホンイツなどの手役を狙ったケースがあるが、それも捨て牌から薄いと判断。
残る可能性はチートイツだ。
無事は通り、内川のテンパイ形が開かれる。
タンキのチートイツ。
いくら読みによって切りやすいとはいえ、は見た目では超がつく危険牌だ。
との間にの手出しがあることも気になる。
ハイテイであること、トップ目であること、チームのポイント状況を考えるとそう簡単に切れる牌ではない。
「負けられないのは私も同じ」
読みと心中して親番を死守した、魚谷の見事な一局だった。
こうしてオリ打ちした上に、リーチしてもバンバンと押し返された内川だったが…
リーチも十分ある場面だったが、と切っていてが浮き彫りになっていること、それにセミファイナル通過率を最大限高めるためにまずはこのマンガンのアガリ率を下げないこと優先させた。
「ポン」
先程のアガリから20秒後のことだった。
親の現物を消費するのは不安だが、この積極性が内川の持ち味。
誰かの攻撃を受ける前にアガってしまえば問題ない! とばかりに2000点のアガリ。
こうして迎えた親番。
試練②・松本吉弘の切れ味
上家・滝沢のリーチを受けて内川の手が止まる。
筋のを切ればイーシャンテンは維持できるが、内川は勝負どころはここじゃない、とあっさりと現物を抜いた。このとき、滝沢さんは好形率が高いから、親だから、と甘えてを切っていたら
滝沢のマンガン以上に放銃となっていた。
内川の積極性と消極性のバランスが光る。
この局、良かったのは松本である。
無論、を切ってチートイツとメンツ手、両方追う選択が受け入れは一番広い。
しかし7巡目で0メンツとなると、ルートを絞って安全牌を残したほうが、押し返しやすくなり結果的にアガリ率はアップするのだ。
松本はチートイツと123の三色だけに絞り、を切った。
こうして松本は滝沢のリーチに対しても安全に
チートイツでテンパイすることに成功。
やが残っていたらこうはいかなかったはずだ。
見事としか言いようがない手順で押し返していくも、この局は流局。
南1局、さらに松本の見切りが冴えわたる。
カン部分を解消するくっつき候補としてはの方が優秀なのだが、はノーチャンスで安全度が高め。
悩ましいところだが、カンが悪くないということでを安全牌気味に持ったのだ。
を重ねて→と切っていけるルートもある。
心中したカンを引いて、絶好のリーチ。
これを受けた内川、本来この局は脇役に徹する予定でいた。
なにせ内川は