中盤まで手が進まず。ここから瀬戸熊は、
瑞原が切った2枚目のをポン。
門前での進行を諦め、親権維持の避難策へと歩みを進めたが、
トップ目の瑞原がこれを取り切るために積極策を敢行。
最後の難関である瀬戸熊の親を追い落とすことに成功して瑞原がトップ、瀬戸熊は3着でゲームを終えた。
だが、果たして瀬戸熊の言うような道にどのような未来があったのか… 皆さんはどのようにお考えになるだろうか?
今日の瀬戸熊のように、いくら準備や我慢をしていても報われない日はある。
いや、麻雀が4人で行うゲームであるが故に、報われない日の方が多いだろう。
だが、そういう日々を何十年も過ごしてきてもなお、瀬戸熊はその姿勢を崩さない。
「僕自身、技術は大したことがないと思っています。でも、気持ちだけは切らさないように。そこが生命線なので。」
かつて、私が取材した中で瀬戸熊はこんなことを述べていた。
自団体の最高峰タイトルである鳳凰位を獲り、麻雀最強戦の頂に2年連続で君臨してもなお自らの技術が未熟だと言う。
そして、来るかどうかすらわからないチャンスをひたむきに待つ。
謙虚に、真っ直ぐ。
ファンの一人として、今日もそんな瀬戸熊直樹の姿が観られて良かったと思う。
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