鈴木優の麻雀が、ガチで格好良かったので、全人類見てください。【Mリーグ2024-25観戦記 1/30 第2試合】担当記者 ゆうせー

河に並んでいる【6マン】は、リャンカン固定した際にかぶってしまったもので、【北】を受け駒として残すと、こうなることもあろう。

それはそれとして、優は【5マン】を積極的に仕掛けて、456三色のイーシャンテンへと手を進めた。

ただ、一応タンヤオへの振り変わりがあるとはいえ、窮屈な手だ。三色でスンナリとアガるためには、【6ピン】【4ソウ】の2枚が必要。鳴かない打ち手も多いことだろう。

それでも、チーして前に出た理由を、鈴木優は検討配信で、こう話した。

「トップ目とはいえ親をもう少しやりたいので、2着目の高宮さんをやりづらくさせたかった。」

なるほど、

たしかに、ドラが【5ソウ】という真ん中の牌であるため、タンヤオ仕掛けのプレッシャーが強くかかる局面だ。上家の高宮も、意識しないわけにはいかないだろう。

また、優の河はピンズとソウズの危険牌エリアが広すぎる。そのため、仮に上家の高宮が牌を絞るとしても、苦労はしそうだ。

優の手に目を向けると、仕掛ける前は、8巡目に入るところで、リャンシャンテン。巡目として、先制リーチが打てるかは微妙なところだ。

だからこそ、優は点数状況をふまえた対人戦略として、

「親が鳴きましたよ? どうですか? 」

と、他家にクエスチョンを投げかけながら、局を進めることを選んだのだった。

しかし、

即座に勝又からリーチがかかる。

優は、

現物の【9ピン】切り。

ただし、【7ピン】から抜いてベタオリ、とはしていないのが、なんとも優らしい。

ツモ【6ピン】【7ピン】【8ピン】あたりでの、タンヤオの復活ルートもしっかりと見ている。

だが、なんとか形をキープしていたものの、

さらなる無筋を引いて、苦しい展開となった優。

【1マン】【8ピン】も通っていない。

ここで優は、

「勝又さんの第3打、【7ピン】があまりにもノータイムだったので」

という理由で、

「安全牌の【北】より先に」【8ピン】を打って斬り込んだのだ!!

鈴木優は、こうも語る。

「高宮さんに、“親がまだ来てる、じゃあ自分は引こうかな”と思ってもらえるのは都合がいい」

という戦略もあって、【8ピン】から打って出たのだそうだ。

こんなにも、腹のくくれている麻雀打ちがいるだろうか。

確かに、【8ピン】は、勝又が序盤に切っている牌の外側だ。しかし、それでもワンチャンスの牌。当たる可能性は存在する。

そして、こちらの手はリャンシャンテンだ。放銃したら目も当てられない。

それでも今述べたような、VS勝又の読み、そして、VS高宮への対人戦略を重んじて、前に出た。

自ら仕掛け始め、他家からリーチがかかってもなお、総合的視点で攻めていく姿勢。

なんと独特で、なんと格好のいい麻雀だろうか。

このあと、優は、

【8ソウ】を引いて、イーシャンテンから打【北】

さらに、

【7ソウ】をツモってテンパイした!

ここで【1マン】を勝負し、

【6ピン】を引き寄せて、2000は2300オール!

思えば、2種必要な三色狙いのカンチャンチーから、巡り巡って、この形でのツモアガリ。

まさに、鈴木優オリジナルだ。

このアガリが決め手となって、

優は1位で半荘を終えた。

「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」

という言葉がある。

優には、今日見たような「鈴木優スペシャル」と言える手順も多い。

そのため、トップをとった半荘は、運だけではなく「腕で」獲得した、「納得の勝ち」である印象が見る側に強く残るのではないだろうか。

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