寿人は七対子のイーシャンテンが、ドラ暗刻でメンツ手も睨める形に。
先陣を切ったのはたろうのリーチであったが……
を押した茅森に、現物が減ることなんてお構いなしで寿人がポン!
この二人の猛プッシュがなんと偶然にもたろうの一発ツモ
を喰い下げる!
これで聴牌が入った茅森も、トップを狙ってリーチに踏み切った!
寿人も聴牌が入るや否や、何食わぬ顔で二人に無筋の
を切り飛ばす。
和了った人間がトップと言っても過言ではない捲り合いの行方は……
茅森が掴んで、寿人へのマンガンの放銃! 南場の3和了りで寿人が抜けたトップ目に!
【南4局】、欲張りたろさんは
をスルーして跳直・倍ツモを狙いに行く。
この手がするすると伸びて、この聴牌。一旦枚数が少ない
の中膨れに受けたのは変化を見てのこと。
ここでの変化とは
引きや
引きでの両面変化ではもちろんない。
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引きでのツモり三暗刻。リーチ・ツモ・
・三暗刻・ドラに裏ドラ2枚以上での逆転だ。
恐らくだがすぐに
を引いても和了らずに、確定三暗刻の直撃できる変化を待ったのではないだろうか。
ドラが一枚切られたことで、もう一つの嬉しい変化であるドラを二枚引いてのリーチ・ツモ・
・ドラ3+αの倍満和了りが薄くなったため、ここで直撃裏3狙いの
単騎リーチを敢行。
たろうの狙い通り、マンガンを打てる寿人は親の茅森が来る前にとたろうのリーチにベタ降りはしなかった。狙い済まされたたろうの切っ先は、寿人の鼻先を掠めていたが……。
残り2枚の
は茅森が全て所持していた。チーム的にもラスさえひかなければいい局面。ノーメンツでは戦えないと3着を受け入れたベタ降りになっていたが故の。
での和了り。6400の放銃はまさかのラス落ちという結果になってしまったのだ。
全10局で流局0。わずか45分の間に飛び交ったリーチ棒は11本、10回の和了りの平均打点は7000点越えと、コンパクトに収まった戦いは瞬きを許さないベタ足インファイト勝負となったのだ。
3位から下は軒並み油断ならないと言っていいボーダーの争い、いよいよ残り20戦だ。

日本プロ麻雀連盟所属・35期後期生。麻雀と着物と民俗学が大好きなプロ雀士。
















