白鳥翔 今季初めて感じた”いけそうだな”【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 11/11 第1試合】担当記者 中野巧

瑞原は大介がカンせず【9マン】を切った同巡に残していた【中】をイーシャンテンから切り出した。
大介の性格的にアガリが見える形ならカンすると予想したのだろうか。


その後、なんと1枚切れの【7マン】単騎で即リーチに。

瑞原は【4マン】を切っており、リーチ宣言牌が【6マン】とはいえ【7マン】はなかなか止まる牌ではない。
実際、流局間際でテンパイを取るため【4マン】をポンしたトップ目の白鳥から直撃。
打点こそ2600点だが、平然とリーチを打ちアガリきった瑞原の勝負強さが光った局だ。

③ らしくない?滝沢が3巡目にドラのペン【7ソウ】待ちで即リーチ

“ガラクタリーチ”や”フラフラ打法”と聞けば思い浮かぶプレーヤーがいるように
Mリーガーには定着しているイメージがある。
滝沢は王道と呼ばれるほど、自信のある待ちでリーチをし、ツモる。
危険な牌は切らずにまわって、相手のアガリ牌を止めきったうえでテンパイする。
まさに麻雀の王道的なスタイルである。

そんな滝沢だが、10/21のMリーグ第一試合で”らしくない”リーチがあった。

4巡目にドラの【1マン】を切ってカン【5ソウ】でリーチ。


【赤5ソウ】を一発ツモし、ハネマンのアガリと最高の結果となった。
しかし後日、本人は「あれはいつもなら【4ソウ】【7ソウ】を切っている」といいつつも、ガラクタリーチへの憧れをにおわせるような発言をしていた。

しかし、滝沢は今日の試合でも一見似たようなリーチをしていたのだ。

好配牌から3巡目にドラのペン【7ソウ】待ちで即リーチ。
あれ、このリーチって10/21のリーチと似てないか…? と思ったそこのあなた。
赤が1枚あって、愚形で早いリーチという点は共通しているが、かなり違う点があるのだ。

即リーチの理由①
1手替わりで良形の変化がない
ペンチャンという形からリャンメンになるには、6→5と引かなければならない。
最短でも2巡かかり、変化する牌と待ちの種類は同じ1種類だ。
つまり変化する牌とアガリ牌をツモる確率は同じなのである。

即リーチの理由②
待ちがドラということ
この手は役ありのため、ダマテンでもアガることはできる。
ただ、待ちがドラの【7ソウ】であるのがポイントだ。
そもそもダマテンのメリットはおおまかに、相手のリーチや仕掛けに対してオリることができることと、アガリ率が高くなる、の2点だ。
しかし待ちがドラならそうそう出る牌ではない。
となると、ダマテンにしているメリットがほとんどなくなってしまう。

即リーチの理由③
早すぎるリーチに対してまっすぐ手を進められない
リーチに対して危険牌を押すときはどんなときだろうか。
おおまかに2点だ。
自分の手牌が良くて、高い打点かつアガリが見込めるとき、安牌が0で切る牌が危険牌しかないとき。
それ以外はまっすぐではなく迂回しながら手を進めることが多い。
つまりは、早い巡目でリーチを打つことで相手の進行スピードをかなり遅らせることができるのだ。
また迂回した牌が後々必要になって、「こんなことならまっすぐいっておけば・・」という経験は皆さんおありだろう。

以上の3点からこのペン【7ソウ】待ちリーチは王道のリーチと言える。

結果は危険牌を掴まずにテンパイした瑞原から追っかけリーチを受けるも、滝沢が【7ソウ】をツモ。満貫のツモアガリとなった。

さいごに
勝利者インタビューで白鳥はチームスコアに余裕ができたから、「今季はじめてやれそうだと思った」と語っていた。
東1局チンイツも余裕の気持ちがあったからこそ、鳴けた【9ピン】だったかもしれない。
麻雀においてメンタルは非常に重要なのは周知の事実。
今スコアがマイナスしているチームのサポーターも選手にあたたかい応援メッセージを送ることで、よいパフォーマンスを発揮すること間違いない。

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