「どうするの?」と思わず声が出る 鬼ムズ「リーチ判断」3選【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 11/13 第2試合(麻雀チャンネル)】担当記者 ゆうせー 鈴木たろう vs 黒沢咲 vs HIRO柴田 vs 浅井堂岐

堂岐がトップ目。

微差のHIRO柴田や黒沢にもチャンスがある中で、

黒沢にテンパイが入った。

状況を整理しよう。

対面の堂岐とは6100点差。

【4ピン】がもうないので、シャンポン待ちにして【中】でアガると、リーチ役役の6400。誰から出ても黒沢のトップだ。

ダマテンの場合は、堂岐から出るか、自分がツモるか、どちらかで優勝である。

先行リーチを打ってきた、たろうと黒沢の点差は25400。黒沢がリーチ棒を出すと、ハネマンの着撃でも着順が入れ替わってしまう。

2着目HIRO柴田とは、2700点の差。これはたろうと黒沢の2人テンパイ&HIRO柴田ノーテンで変わる状況だ。ここで黒沢がリーチ棒を出すと、浅井とHIRO柴田がノーテンのときは、黒沢は3着のままになってしまう。

【2ピン】【5ピン】は1枚しかないうえフリテンなので、待ちはシャンポンにするのがいいとして、さぁ、どうする…?

A.【3ピン】切りリーチ

B.【3ピン】切りダマ



悩み抜いた末、黒沢が出した結論は、

【3ピン】切りダマテンだった!

おそらく、

ション牌の【中】が山にいるかどうか、怪しいと感じたのだろう。

リーチをしているたろうも、鳴いているHIRO柴田真ん中の数牌の出が早めなので、手に役牌を持っている可能性もそこそこある。

また、親の堂岐はベタオリをしているので、そこに【中】がとどまっている可能性もある。

前述のとおり、ダマにしていれば、たろうに対しても、HIRO柴田に対しても、条件は悪くならない。

特に、HIRO柴田は手からたろうの現物である【2マン】を打ってきたので、ここがオリているなら、ダマでテンパイを維持する価値は大きい。

着順上昇を狙いつつも、大怪我はしないようにバランスをとった選択だ。

NAGAの解析も一応見ていくが。ここは「オリているかどうか」他家挙動の読みがあまり反映されていなさそうなのと、そもそものルールが大きく違うので、あくまでもほんの参考程度で見ていただきたい。

4タイプがリーチ寄りだが、そもそもフリテンにとってリーチというのもある時点で、なんとも微妙なところである。

ただ、リーチダマどちらかしかない、という場面ではなさそうだ。

今回紹介した3つは、いずれも「どちらもある」という場面ばかりだが、だからこそ麻雀は難しく、面白いのである。

さて、私は、たろうからの出アガリでもトップになるようにリーチをしそうだ、と考える。

ただ、たしかにHIRO柴田がオリた可能性もあるので、悩ましいところだ。

6:4=リーチ:ダマ

で考えているが、みなさんはどうだろうか。

また、これを言い出すと何切るにならない面はあるが、この場面より前に、

2枚目の【4ピン】をポンしていそうだ。

【1ソウ】ならどこからでも、【4ソウ】ならHIRO柴田からの直撃かツモで、2着になるテンパイをとるかと思う。

さて、この局の結末は、

黒沢が、たろうのアガリ牌、【北】を持ってきて、

たろうへの、リーチ七対子ドラドラ赤、12000放銃であった。

たらればの話にはなるが、黒沢はリーチをしていたらラス落ちになっていた。

もちろん、たろうから【中】が出ていたパターンなら、リーチをしなかったことに思いを巡らせたかもしれない。

麻雀は「1回のリーチ判断で、結果が大きく変わる」のだということを、この半荘を通じて、強く感じた。

フェニックスは同日連勝。

ただ、道中の点数移動に関して、堂岐は望みどおりのアップダウンだと感じてなかったのだろう。

インタビューで堂岐は、

「(思い出すと)悪いところばっかり出てきちゃって…」

と、放銃に回った、東2局のカン【3ソウ】リーチのみの判断を悔いていた。

しかし、その結果に萎縮せず、南3局にカン【2マン】リーチの1300は1600をアガりきったことが、トップ獲得につながった面はあるだろう。

そうやって、取り繕わずに素直に話してくれる
勇敢な戦士「俺達のタカキ」。

  • この記事が気に入ったら
    フォローをお願いいたします!
    最新の麻雀・Mリーグ情報をお届けします!

  • \近代麻雀シリーズ 新刊情報/