たろうちゃんの字牌単騎に感じた戦略性【清水香織の「セメントチェック」Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 12/26（麻雀チャンネル）】

女流桜花を連覇した清水香織が、

今年最後のMリーグをセメントチェック！

白卓第1試合

■今の永井のような打ち手と打つのは怖い

永井さんが親番落ちてからの3連続アガリでトップ、すごかったですね。特に南3局、チートイ決め打ちの打がすごかったです。あれはメンツ手も残してを打ちたくなるんですけどスッとを切って。押し寄せる運気に自分が自信を持って打牌をしている、それに牌が応えているのかな、と思いました。ああいう打ち手と打つのは怖いなって思いますね（笑）。

あとは、中田さんもすごくいい打ち方をしていました。東3局で、押し寄せてくる中張牌のツモを受けてをトイツ落としして打点に寄せた進行とかは、最後はテンパイ打牌が放銃になりましたけど、すごく良かったと思います。南2局でもから仕掛けてホンイツを目指してテンパイするとか、結果は3着でしたけど、内容的にはすごく良かったと思います。

白卓第2試合

■経験則に基づいた萩原のツモ切りリーチ

2戦目は、みんな懐が深い打ち方をしていたなと思います。

東3局の萩原さんは、チートイドラドラの1シャンテンから自分の切ったを残したところが業師でしたね。チートイツをぼかそうという工夫ですけど、親番ですし、本当はとか残さずに真っすぐ手を組みたいんですよ。ああいうところがニクいです。

そして、地獄単騎の待ちテンパイにしてしばらくダマテンにしていて、あれは9600も十分大きいんですけど、12巡目にツモ切りリーチ。あれは、そろそろ足止めをと考えたのと、ここまで出ないならまだ山にいるんじゃないか、という判断だったと思います。萩原さんのそういう感覚はすごいなと思いました。ああいうのは、長年やっている経験則に基づいているんでしょうね。

■戦略性を感じた字牌待ち

南場もいろいろありましたけど、たろうちゃんが南1局に早いホンイツ仕掛けをして、待ちにとらずに単騎にしたじゃないですか。あれはたぶん、ホンイツ仕掛けに対して先に字牌を切ると、切りにくかった人が字牌を切れるようになって、前に出てくることを嫌ったんじゃないですかね。とにかく、字牌をつかんだ人は終わってくれと、相手が受けることを期待しつつ、その間にツモろうという選択だったと思います。

もちろん、その上で勝負に来るなら打ち取るよ、という構えですね。あの仕掛けに対してポロリはあんまりないと思うし、それは狙っていなかったと思います。一回字牌を置いて、そこから手出しされたら相手は残った字牌は切れないですよ。最後は弱気の選択だったって言っていましたけどね。

■たろうの胆力を示した1シャンテン取らず

オーラス、満ツモ条件のたろうちゃんが7巡目に切り、1シャンテンを取らなかったんです。あくまで満貫を狙おうという進行で、あれは本当に胆力があるな、と思いましたね。私だったらを切って1シャンテンにしていそうなんですけど、あの打ちは懐の深い、いい一打だったと思います。

それが実ってのドラ引きからカンツモ。リーチしていたら一発ツモでしたけど、あれをダマテンにしないのも、よりトップへの意識が強い選択で良かったと思います。年内初トップに向けての執念が実った、素晴らしい局でした。

この試合は本当に激戦で、みんながみんな、最善の一打を打っていたなと感じました。下石さんは親のハネ満ツモを連発されて本当にキツかったですけど頑張ってアガリを決めていましたし、今年最後のMリーグの対局、本当にアツかったですね。

■女流桜花連覇、そして

【#第20期女流桜花決定戦】

優勝🏆

清水香織

おめでとう御座います🎊

また4月には第21期女流桜花が始まります。
この巨大な壁への挑戦権を得るのは誰だ！
本日はご視聴ありがとうございました。 pic.twitter.com/eVZwmHgarh

— 日本プロ麻雀連盟速報アカウント (@JPML_sokuhou) December 24, 2025

先日、おかげさまで女流桜花を連覇することができました。私はちょっと我慢が足りないタイプだったんですけど、いろいろな対局を見させてもらっている中で、焦らずに我慢しながら頑張れたことが良かったと思います。麻雀を強くなるためには、もちろんたくさん打つことも大事だけど、他のプレーヤーが打っている対局を見て、その人が何を考えて打つのかを考えるのも自分の糧になりますし、ｓｐれによって得られるものは大きいです。自分もそうして連覇したので、今後もMリーグの対局などからの学びを生かして、来年は3連覇を目指して頑張ります！