色を変える前のめり──逢川恵夢の、覚醒カメレオン──【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 1/30 第2試合(麻雀チャンネル2)】担当記者 小林正和

そしてもちろん、それは親番だからという理由で甘えたりはしない。
東3局

カンも入っており、局面はそろそろ煮詰まりつつあった。その中で、テンパイが入る。

打点との折り合いでドラの【6マン】単騎リーチも有力であったが

もうひと変化を待つ【5マン】切りヤミテンへ。

さらに


園田からのカン【4マン】待ちリーチを受けて

今度は【2ソウ】【5ソウ】【8ソウ】待ちにも組み替えられる分岐点。とはいえ、【8ソウ】ではピンフの役が付かない。いっそ、ここでリーチに踏み込んでもおかしくはなかったが

縦切りとし、ここでもヤミテンを継続した。

自身の目から【2ソウ】【5ソウ】が計8枚見えている以上、残り最大3枚の【8ソウ】と心中するには、あまりにも部が悪いという判断である。

仮にもし、ここで牌を横に曲げていたらどうだったか。


おそらく、この【4マン】で最低マンガンクラスの点数を、リーチ棒と合わせて失っていたことになるだろう。

もちろん、テンパイキープだけに固執して放銃牌を押し出すような真似はしない。冷静にイーシャンテンへと戻していくと

最後のツモ番。

何事もなかったかのように。いや、そうであることが当たり前と言わんばかりに、再びテンパイを取り戻す。これが勝又の手法だ。

こうした人との駆け引きの局面でこそ、勝又の強みがより鮮明になるのかもしれない。

それを象徴するのが、この選択だ。
南2局

わずか4巡目に、ピンフ・テンパイ。

ここは一旦ヤミテンに構えたが

園田のリーチ宣言が卓に響いた途端、勝又は迷いなくツモ切りリーチを重ねた。

表向きには園田への応戦に見える。
だが、本当に向けられていたメッセージは別にあった。

「トップは、親番で加点しない限り難しい点差だったので、まずは二着キープが目標。いかにライバルの本田くんの親を落とすかが、最優先。」

続けて、こう語った。

「賢ちゃんのリーチに、(園田との点差が近い)本田くんが戦い始めたら、自身の着落ちも見えてくるので。それならば、二軒リーチに持ち込んで“入らせない方がいい”と。」

まさに、逆転の発想。

普通なら、危険を避けるために手堅く…と言いたいところだが、それを正反対に「守るためのリーチ」なのである。

こうして勝又は、静かに・確実に局面を制圧していくのであった。

前のめりの色──逢川恵夢の変わる強さ──

この試合の開局は、まるで彼女の「変化」を映し出すかのように始まった。
東1局

【9マン】のトイツ落としから始まったこの手牌。

2トイツを1トイツにしたはずが、何故か数巡後には3トイツへ。麻雀あるあるの一つである。

こうなってくると、人の情けとしては、どこかトイツに手を掛けづらくなる。

ピンズの二度受けを嫌って、【7ピン】【8ピン】と軽やかに払っていく。

すると、あら不思議。
みるみるうちに5トイツが揃い、むしろメンツ手よりも早いイーシャンテンへと姿を変えていくのであった。

しかし、今度は【2ソウ】を引いたことで、再びメンツ手にも戻れるようにとドラの【8ソウ】を切っていくと

【中】をポンして、シャンテン変わらずのメンツ路線へと姿を変えていく。他者から見たら、ドラ含みのリャンメンターツ払いの格好。

最終的に、この【赤5ピン】でテンパイだ。

捨て牌だけを眺めれば、最低でもマンズのホンイツトイトイあたりは付いていそう。そんな所だ。

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