応えてくれない牌──それでも進む、逢川恵夢──【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 2/6 第2試合(麻雀チャンネル)】担当記者 小林正和

【赤5ソウ】であった。

まるでチームのマスコット、緑の“ヒキ”であるリャンカン・ターツ部を埋め、赤の“オシ”が、ちょんと背中を押してくれたかのような牌。

冷静にヤミテンとする逢川。

(やることは、やった。あとは…)

目の前を通過するエサを、じっと待つだけ。

しかし、願いは届かなかった。
目の前を通り過ぎたのは

最後の、1枚しかなかった【南】
それを茅森がツモリ、倒された14枚の牌たちだけであった──。

喉が乾いて自販機の前に立ち、お気に入りの飲み物のボタンを迷いなく押す。でも、落ちてきたのは、まったく別の缶だ。

ツモられた直後、手元の飲み物を軽く口にした逢川。

もしかしたら、その飲み物は──
本当は、今ほしかった味じゃなかったのかもしれない。

それでも卓上から降りると、いつも通り、いやいつも以上明るく振る舞った。

下なんか向いてる場合じゃない。
だって下なんな向いていたら、仲間の背中、そして自分の背中なんて押せなくなるから。

だからこそ。
逢川恵夢は前を向く。

もう次の戦いに向けて、再び歩き出した!

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