直前に切られた
に判断の心を止められることなく、自分の読みと感覚を信じると
その先に待っていたのは、親・茅森から一発で捕える未来であった。
もし、ほんの少しの迷いを見せていたら──。
この
は別の牌とすり替えられていたかもしれない。
とにかく今日の逢川は、いつも以上に試合に深く入り込んでいるように感じた。
なぜかって!?
だってさ、こんなリーチのみのペン
待ちで踏み込んだり
トップ目で迎えた東場に、リーチを受けた局とかも。
押したところで、未来が開ける保証なんてどこにもなかった。それでも、自分のツモ番が尽きるその瞬間まで、押し続けたんだよね。
まるで、閉まりかけた電車のドアへ、ギリギリまで指先を伸ばすように。
そして、そんな一打を続けた理由は、ただ一つ。それは…
「トップを持ち帰ること。」
それだけだった。
でも、その「それだけ」が、この夜いちばん重かったのである。
微差のトップ目で迎えた南2局
手牌は光の加減で肌色を変える、まるでカメレオンのような輝きを放っている。
しかし、状況は簡単じゃない。
ラス目の茅森からリーチを受けているのだ。
安全にいくなら、いったん現物の
を切り、じっと獲物の動きを伺うことだってできたが、それには触れなかった。
ほんのわずか。ほんの数呼吸だけ、覚悟を決めるための静かな時間を置くと
「リーチ」
まるで、一瞬で獲物を射抜くあの舌のように。
鋭く、迷いなく、ドラの
へと伸びていく。
押したところで、未来が保証されているわけじゃない。
それでも、いま自分が選べる
「いちばん強い未来」=「トップを持ち帰ること」
それだけだった。
だが日常には、ときどき“想いに応えてくれない瞬間”というやつが、平然と紛れ込んでくる。
こちらの願いなんて、どこ吹く風と言わんばかりに。
そして麻雀も、まさにその延長線上にある。
押しても、押しても、応えてくれない日があるのだ。
次巡。
指先に吸い付くように乗ってきたのは
。それは
ラス目の茅森へ、静かに吸い込まれていく牌だった。
押した先にあるはずだった未来が、すっと遠ざかる。
ただ、それでも立ち止まることはしない。
南3局
ツモで再び光輝く。
しかし目の前の現実は、そう甘くはなかった。
南家・茅森は、すでにマンズのホンイツで三副露。
こちらが切りたい
は、その鳴きに対して真っ向から突っ込む牌だ。
しかも手牌の![]()
![]()
という緑のリャンカン愚形が不安材料として残る。
それでも逢川はそっと息を整え
を前に押し出した。
(ここで止まってどうする…)
そう言わんばかりの、前を向く決意。
そして、やってきたのは













