応えてくれない牌──それでも進む、逢川恵夢──【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 2/6 第2試合(麻雀チャンネル)】担当記者 小林正和

直前に切られた【南】に判断の心を止められることなく、自分の読みと感覚を信じると

その先に待っていたのは、親・茅森から一発で捕える未来であった。

もし、ほんの少しの迷いを見せていたら──。
この【2ピン】は別の牌とすり替えられていたかもしれない。

とにかく今日の逢川は、いつも以上に試合に深く入り込んでいるように感じた。

なぜかって!?

だってさ、こんなリーチのみのペン【3マン】待ちで踏み込んだり

トップ目で迎えた東場に、リーチを受けた局とかも。

押したところで、未来が開ける保証なんてどこにもなかった。それでも、自分のツモ番が尽きるその瞬間まで、押し続けたんだよね。

まるで、閉まりかけた電車のドアへ、ギリギリまで指先を伸ばすように。

そして、そんな一打を続けた理由は、ただ一つ。それは…

「トップを持ち帰ること。」

それだけだった。
でも、その「それだけ」が、この夜いちばん重かったのである。

微差のトップ目で迎えた南2局

手牌は光の加減で肌色を変える、まるでカメレオンのような輝きを放っている。

しかし、状況は簡単じゃない。
ラス目の茅森からリーチを受けているのだ。

安全にいくなら、いったん現物の【9マン】を切り、じっと獲物の動きを伺うことだってできたが、それには触れなかった。

ほんのわずか。ほんの数呼吸だけ、覚悟を決めるための静かな時間を置くと

「リーチ」

まるで、一瞬で獲物を射抜くあの舌のように。
鋭く、迷いなく、ドラの【4マン】へと伸びていく。

押したところで、未来が保証されているわけじゃない。
それでも、いま自分が選べる

「いちばん強い未来」=「トップを持ち帰ること」

それだけだった。

だが日常には、ときどき“想いに応えてくれない瞬間”というやつが、平然と紛れ込んでくる。

こちらの願いなんて、どこ吹く風と言わんばかりに。

そして麻雀も、まさにその延長線上にある。
押しても、押しても、応えてくれない日があるのだ。

次巡。
指先に吸い付くように乗ってきたのは【2ソウ】。それは

ラス目の茅森へ、静かに吸い込まれていく牌だった。
押した先にあるはずだった未来が、すっと遠ざかる。

ただ、それでも立ち止まることはしない。

南3局

【7マン】ツモで再び光輝く。
しかし目の前の現実は、そう甘くはなかった。

南家・茅森は、すでにマンズのホンイツで三副露。

こちらが切りたい【4マン】は、その鳴きに対して真っ向から突っ込む牌だ。

しかも手牌の【4ソウ】【6ソウ】【8ソウ】という緑のリャンカン愚形が不安材料として残る。

それでも逢川はそっと息を整え

【4マン】を前に押し出した。

(ここで止まってどうする…)

そう言わんばかりの、前を向く決意。

そして、やってきたのは

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