萩原聖人が予測した因果律
文・越野智紀【金曜担当ライター】2021年12月3日
約2週間ぶりの試合で派手な登場を見せた萩原が麻雀でも魅せます。
丸山から一発でが出て、リーチ一発タンヤオ赤とここまで4翻。
裏ドラは1枚乗っても満貫止まりなので、かが裏ドラに乗らないと打点は変わりません。
は山に残っていなかったため、有効な裏ドラ表示牌はの1枚だけでしたが
3%弱を引き当てた萩原が登場シーンに負けないド派手な裏ドラ4枚で倍満のアガリ。
放銃した丸山は萩原の安全牌が無かっただけに2巡前にを切ってを残す選択もありましたが、が他の二人に安全牌じゃないこととピンズの伸びを見て攻撃重視の構えにしたことが仇となりました。
その後もリードしていた萩原に勝負手が入り、南2局
タンヤオ赤赤の単騎でダマテンにしていたところ、を引いてに変化。
ダマテンでも5,200と中々の打点でしたが、それでは足りないとリーチを選択しました。
リーチをしたことで出そうだった内川のは止まり、山に1枚しか残っていなかったを引くことは出来ずに流局。
Mリーグのルールは順位点が大きく、各選手は隙あらば一つでも上の順位を狙ってくるものです。
萩原がここで5,200をアガると2番手と17,200点差になります。
今回はオーラスに親が回ってくるということもあり、相手のハネマンツモでも届かない18,000点差以上を目指しているように見えました。
1本場でさらに勝負手がくると
を暗刻から1枚切るのが萩原聖人の真骨頂。
マンズにくっついての567の三色か、ドラの引きやソーズの一盃口などを見た打点重視に構え
ドラを引いてテンパイが入ります。
ダマテンでアガっても2番手と18,200点以上離れるのでリーチをしない選択もありそうでしたが、残り2局でその点差をセーフティとは考えず。
手が入った時に出来るだけリードを広げようとリーチをかけました。
2局連続でアガれば決定打になりそうな勝負局を作った萩原でしたが、ここは追いついた内川が満貫をツモって2番手に浮上となりました。
狙い通りの点差まで突き放すことが出来なかった萩原は嫌な予感に首を捻りながらオーラスへ。
トップへの条件は内川が満貫ツモで松本はハネ満ツモと充分狙える差で、丸山だけやや厳しく倍満ツモが必要でした。
萩原は少しでも加点できれば全員の条件を厳しく出来ることもあり、早い手が入ればアガリに向かいたい状況でしたが
アガリには時間がかかりそうな手をもらい、場に出た2枚のを両方スルー。
ここまで作ったリードを頼り、この1局の運命に身をゆだねました。
萩原が一番気になる満貫ツモ条件の内川の配牌はバラバラで、2着キープ出来れば御の字といった格好。
7巡目、丸山に2着は充分狙えるリーチが入ります。
1巡して追いついた松本からはツモればトップが見えるリーチ。
さらに数巡後、内川の表情が崩れます。
バラバラだった内川の手が急にまとまりを見せ、一通ドラ1で追いついてしまいます。
2位から1位に上がった時に得られる順位点は40ポイントと非常に大きいのですが、実は2位から4位に落ちた時に失う順位点も同じく40ポイントもあるんです。
丸山への放銃はラスに落ちる可能性もあり慎重に手を進めてきた内川でしたが、想像以上に手が伸びて「こんなつもりじゃなかったのに」といったところでしょうか。
放っておいても3位に落ちかねない状況なので、それならば流局頼みの2位狙いよりもツモか萩原直撃でトップが狙える勝負といきました。
こので事態の急変に気づいた萩原。
局の開始時に感じていた嫌な予感が現実に近づいてきました。
は2軒リーチの現物ですが、もう内川に危険な牌は打てません。
次巡、松本がをツモ切って安全牌が増えるも萩原は安易に合わせ打たず。
内川の持ち点はイーシャンテンから押すような状況ではなくが鳴かれる心配はほぼ無く見えましたが、ソーズを厚く持っていそうな内川に対してソーズの情報を増やすと手が変化した時の待ち選択に利用される恐れがあります。
3軒テンパイなら今後も安全牌が増えそうなので、手詰まりする可能性は低いと見ては合わせず切りを選択。