銀メダルを塗り替える──鈴木優の見えない芸術点──【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 2/13 第2試合(麻雀チャンネル2)】担当記者 小林正和

綺麗さなんて捨てて三副露。

点棒をもぎ取りに行く姿勢を見せた。

だが優にとっては、これがデフォルトなのである。

このアガリが決勝点とはなったのだが、アガリに結びつかないシーンでも、その存在感は際立っていた。

例えば、東3局1本場

終盤に切ったこの【3ソウ】

その前から、アガリのリンクから滑り落ちないように粘っていたが、このド終盤でもテンパイしたらドラの【1ソウ】も打ちますよという意思表示であり

南2局

この【東】もそう。

安全牌はあるし、自身はドラ1枚所有したピンフのイーシャンテンだし。絶対アガり切らなきゃというほどの形でもない。それでも開局と同じく、二軒リーチに囲まれていようがギリギリまで押していくのだ。

(何がなんでもアガリたいだけ!?)

いや、違う。
アガリだけを追っているんじゃない。

南3局

今度は親で超ド級のイーシャンテン。リーチもたったの一軒だ。

しかし、残り局数と点数状況を見極めると

通ってはいないが、比較的安全に寄れるアンコの【1ソウ】に、手をかけたのである。

派手なジャンプを増やす判断じゃない。転倒の可能性を抑えながら、着氷を揃え、点になる構成だけを残す。採点表には書ききれない、見えない芸術点がそこにあるのだ。

そして、その積み重ねの先で掴んだトップは、ただの勝利じゃない。

一戦目。

仲林がこぼした、あの悔しい2着。

銀メダルの痛みを抱えたまま終わらせない。
今チームに必要だったのは

トップという金メダルでしかないのだ。

今日の連対により大きくポイントを伸ばして、残り18戦。
それでも数字だけを見れば、▲655.0で最下位である。

きれいごとでは埋まらない差。
追い風なんて、待っていても来ない。

それでもレギュラーシーズンは、まだ終わっていないのだ。
そして、負けられない戦いが続くということは、まだ取り返せる戦いが残っているということ。

悔しさは、抱えたままでいい。
その痛みごと、次の一局へ。

海賊たちは、まだ沈まない。

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