銀メダルを塗り替える──鈴木優の見えない芸術点──【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 2/13 第2試合(麻雀チャンネル2)】担当記者 小林正和

今度は園田が手を伸ばす。

まるで、スピードスケートの終盤だ。そして、最終コーナーでの激しい競り合いを制したのは

園田の方であった。

【北】【中】・ドラ
1,300・2,600(+3,900)

見事だったのが、待ち選択のシーンである。

カン【5ソウ】かカン【7ソウ】かの分岐点。

アガリ率だけなら、ドラ表を外してのカン【5ソウ】に寄せる手だろう。【3ソウ】引きでリャンメンに育つ余地もあるし、【1ピン】をポンして【1ソウ】【4ソウ】待ちへ。そんな手替わりも見えるからだ。

しかし、

【4ソウ】切りへ。

現状ラス目と、ただアガるだけじゃ物足りない。点数も一緒に取りにいく構えだ。

この一打がいいのは、中打点のアガリ形を保ったまま打点の伸びしろを残せるところ。ドラの【8ソウ】を引いた時に、マンガン・ルートとして活きてくるのである。

今日の園田は、どこかキレを感じるアガリが多かった。それもそのはず。

実は火曜日の試合で、オーラス痛恨の差し込みからトップ陥落。

その後チームは連敗となり、自分が蒔いてしまった負の連鎖を、今度は自分の手で止めたい。取り返したい。きっと、そんな想いが胸の奥で消えずに燃えていたはずだからだ。

南2局

 

国士の影をまとった配牌。

 

最初は【3ソウ】からの切り出しと、チャンタ系路線を強く見ていたが

この【6ピン】ツモで少考。

ここは残す選択を取り、目指す最終形の方向転換を図ると

残した【6ピン】が綺麗に映えるテンパイ。

そして、最終的に着氷したのは
リーチ・ピンフ・三色
8,000点

Mリーグという舞台での借りはMリーグでしか返せない。そんな気持ちすら背負って、芸術点の高い一手でトップを取りにいくのである。

だがしかし。
この日の頂点は、もうひとつ違う勝ち方が立っていた。

氷上の美学ではない。泥を踏み、肩で息をして、それでも前へ出るやつの麻雀。

立ちはだかったのは、この男

戦闘民族・優であった。

始まりは、ここからであったかもしれない。
東1局

こちらも泥臭い一鳴き発進。途中でドラの【9マン】や役牌の【中】を引き、手牌価値が上昇するも、

本田からの親リーチと

北家・園田からの追いかけリーチに挟まれてしまう。

しかし、このリーチ宣言牌である【中】をノータイムで

仕掛けた!

確かにドラドラの勝負手だ。だが浮いている【8ピン】は、どちらにも通っていない。

たが二軒リーチがかかった瞬間、迷うより先に身体が動く。咄嗟に反応できるのが、優の強さであり、そう呼ばれる所以だろう。

そして、その強い押しに応えるようにドラの【9マン】が鳴けると、

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