人の麻雀を見ている、ただそれだけのことなのに、どうしてこうも胸が痛いのだろうか。
捨て牌三段目、
二人の待ち牌を掴んだ渋川は、冷静にマンズの単騎に受け替えた。
決着の時がきた。
「ツモ」
響いたのは「先ほどよりもさらに低い声」。
そう、
アガリ牌を引き寄せたのは多井だ!
しかも、
裏裏!
リーチツモ一盃口ドラドラ裏裏の3200-6200!
いつもは表情豊かな多井も、
この面持ち。
6位雷電とは、74.4ポイント差。
もし、このまま終われば+60.4。雷電が14.0ポイント上。
最終日の雷電に、プラスでまとめることを条件として突きつけることが出来る。
かたや、レギュラーシーズン優勝戦線は、
いまだ均衡状態が続く。
東3局は、
多井が滝沢から
ドラドラの5800をアガる。
これで、雷電のリードはわずか8.2となった。
東3局1本場は、
渋川が多井から、リーチ七対子赤の6400は6700をアガる。
ABSMASは雷電と14.9ポイント差に。
ただ、サクラナイツにトップをまくられると、ABSMASは順位点を大きく失ってしまう。
まだまだ、ここからどうなるか分からない。
東4局は、
仕掛けた親番の滝沢が一人テンパイで流局。
東4局1本場は、
中盤に親リーチを打った滝沢が、
またもや一人テンパイをもぎとる。
これで、
少しではあるが、格闘倶楽部が風林火山の上にいった。
ゲーム開始時には32.5ポイントの差だったが、この時点で21.2縮まるので、「11.3」今は風林火山がリード。
ただし、滝沢が渋川より上にいけば順位点で20がプラスされるので、その時点で格闘倶楽部が逆転だ。
まさにギリギリの勝負。
これを座って(興奮して立ち上がっている人も、稀によくいるかもしれないが)観戦できるのだから、麻雀好きには本当にいい時代だ。
ここまで、苦しい展開ながらも踏みとどまっていた亜樹が、
ピンチを迎える。
東4局3本場で、多井と渋川の2軒リーチに挟まれてしまった。
俯瞰的に見ると、
こうなっている。
(黄色がツモ切りの牌。)
亜樹は、
追っかけてきた渋川の現物、
を打った。














