「放銃したら、優勝を逃すかもしれない…」EX風林火山の最終戦!「選手 兼 新監督」二階堂亜樹は震える指先でMリーグレギュラーシーズン首位の座を掴みとれるか??【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 3/26 第2試合】担当記者 ゆうせー

控室にいる、寿人、高宮、伊達の総意でもあった。

チームメイトの思いとともに、滝沢は勝負の一戦へと向かった。

勝負どころでの鬼連投というと、昔からMリーグを見ている方の中には、「EX風林火山勝又健志」を思い浮かべた人もいらっしゃるだろう。

今からもう5年ほど前。

2020-21シーズンでは、ファイナルシリーズの最終盤に、EX風林火山は残り4試合で勝又の4連投策に出たことがあった。

勝又は、その4戦を3トップ、2着1回にまとめて、

見事、優勝を飾った。

あれから時が流れた。

チームメイトだった滝沢は、好敵手として今ここで卓を囲むことになる。

そして、二階堂亜樹は「選手兼監督」の立場で、自ら最終戦に出場する運びとなった。

亜樹は、個人賞やレギュラー首位などの条件が絡み合った際の終盤の選手起用について、とあるインタビュー動画で、

「どういう状況になったら誰を出すかを、あらかじめ決めておいた方が後悔がない」

と語っていた。

ここも、前の試合に登板した永井が「3、4着だったら連投はなし」と決めておいて、結果、起用しない流れとなった。

ファンの方の中には、個人タイトル争いを最後まで見届けたい、永井に打たせてほしい、と思った方も当然ながらいるに違いない。

ただ、Mリーグで各チーム120試合を打った上での「首位通過が決まる条件戦」を、加入1年目の選手に任せるのも酷なものだ。

大きなタイトル戦での条件戦の経験値、という点でも、今季勝又の調子がなかなか上がってこないことを踏まえて、ここは亜樹が出るのが良かったように私は思う。

万人が納得する起用、というものはないに等しい。

その中で、監督という立場で責任と覚悟を背負って、

二階堂亜樹は、勝負の場へと赴いた。

そして、KADOKAWAサクラナイツは、

渋川難波が出場。

チームとしては苦しいシーズンであったが、渋川個人としてはここまで170ほどのプラス。

内容としても、過去一番と言えるほど、今季は充実していたように感じる。

応援してくれるファンに向けても、ここはしっかりとした内容で締めくくりたい。

各チームの思惑が入り交じる中、始まりの時は訪れた。

第2試合

東家:二階堂亜樹EX風林火山
南家:渋川難波KADOKAWAサクラナイツ
西家:多井隆晴渋谷ABEMAS
北家:滝沢和典KONAMI麻雀格闘倶楽部

東2局2本場

「リーチ…!」

地を這うような低い声が、卓上に響いた。

声の主は、

多井だ!

待ちは【5ピン】【8ピン】。ドラでアガることができれば、満貫以上の大物手となる。

勝負手というのは、得てしてぶつかるものである。

ドラをトイツで持って仕掛けていた滝沢が、カン【5ピン】待ちで追いついた!

さらに、

タンヤオで動いていた親の渋川も、2つ鳴いてテンパイ。こちらは【2マン】【5マン】待ちだ。

亜樹は、

しっかりとガードを固めていた。

“たかちゃん(多井)ツモれ!!!!”

“タッキー(滝沢)アガって…!!”

“渋(渋川)、押し切ってくれー”

という応援の声。

そして、

“多井さんだけはアガらないで…”

“滝沢さんが放銃してくれたら助かる──”

“せめて横移動でお願いします!”

自分の応援するチームにとって都合のいい展開を願う気持ちとが、白黒複雑に絡まりあって麻雀界を包み込んだ夜。

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