西原理恵子 & 山崎一夫 対人ギャンブルに見えて違うもの

対人ギャンブルに見えて
そうで無いものもある

末井昭さんと西原理恵子さんと私の共著「パチンコからはじまる○×三角な話」という最新刊が、めでたいことに発売後すぐに増刷になりました。

3人ともTwitterをやってますが、フォロワーのみなさんが、けっこう話題にしてくれた影響が大きかったたようです。

 

ありがとうございます。

 

末井さんと私のギャンブル対談の中に、
「対人ギャンブルと機械相手のギャンブルは勝ち方が違う」

という話が出て来ますが、この場を借りてさらに詳しい話をさせて貰います。

さてクイズです。

●パチンコは機械相手で、
●ルーレットは人間相手。

これは正しいでしょうか?

 

一見正しそうですが、見た目とは違って、必ずしもそうではありません。

まずパチンコですが、目の前には機械がありますが、玉を出す出さないは、事前にクギ調整は人間が行います。

例えば新台入れ替えの新装開店の時、目の前のクギの善し悪しを読むと同時に、店長やクギ師の意図を読むことも大事です。

「今日の客は人気のこの台が目当てだろうから、あまり出さなくても客は付く」

シマ全体の台をマイナス調整にするかもしれません。

「人気台と抱き合わせで、メーカーに買わされた台は、玉を出して客を付けるしかない」

など、実は人間相手の読みのシーンがあるんです。

 

私が銀玉親方だった頃、末井さんといっしょに良く新装開店狙いや、攻略法を使った遠征に出かけてました。

相手が勝たせようとしている時に大きく勝つのは、とても楽だし大事だと思います。

ちなみに、パチンコ台の機械的な構造や、プログラムの盲点を衝いた攻略法は、相手の意思が働いていないので、機械相手のギャンブルと言えます。

相手の機械自体は、マズいことになってることに気がつきませんからね。

一方ルーレットは、目の前のディーラーに、何らかの意図があっても無くても、出目に影響しないので、機械相手です。

バカラやチンリロリンなども同じで、一般的に法略法や必勝法はありません。

「ディーラーの意図の裏を読めば勝てるハズ」

こう言うお客さんは、ハウスから見ると、とてもいいカモになってしまうので気をつけましょう。

ちなみに、ドンブリとサイコロを使って遊ぶチンチロリンは、損得無しのゼロサムゲームです。

大の大人がドンブリの前に集まって、一晩夢中になれるんだから、とても低コストでエコなギャンブルです。

とは言うものの、末井さんはチンチロリンで一晩に一千万円以上勝ったことがあるそうですから、常軌を逸してます。

 
対人ギャンブルは
ブラフや裏切りが重要

ブラフが生きるギャンブルの代表がポーカーです。

レイズと言って、ゲームの途中で賭け金アップできるのがミソです。

自分のカードが必ずしも強く無くても、賭け金アップで強いと思わせて、相手を降ろしてしまうテクニックです。

実は相手のプロは、こちらにブラフの快感を覚えさせているのかもしれません。

同じ対人ゲームの麻雀では、親の愚形先行リーチが代表例です。
誰しも親には放銃したくありませんからね。

また十年以上前に人気になった安藤満プロの役無しヤオチュー牌の先行ポンもそうでした。

特にドラが字牌の時に効果的で、他家が不要牌のドラはもちろん、字牌も切りにくくなるんです。
周りが降りて流局すると

「ノーテン、へっへーん」

なんて笑ってましたよ。

フリー雀荘の勝ち組と固定メンツの勝ち組は、勝ち方が少し違っています。

フリーの場合は

●棒テン・即リー。先手を取られたらベタ降り。
●出るポン、見るチー、バックに形テン片アガり。

が多くなります。

後者はオーラス僅差の打法をいつでも使うようになったものです。

一方の私が見た高レート少数の固定メンツは、時間をかけて自分のイメージ作りをしてる人が勝ち残ってました。

「トップは俺だ、損をしたくなかったらお前はヒモ(2着)になれ」

という戦略です。

●2着が自分を逆転しに来たら、ラスに叩き落とす。
●リーチした者を簡単にアガらせずに「このメンツでリーチは損」と錯覚させる。
●リーチすると、他家に鳴かせてリーチ者が振り込むように仕向ける。

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