熱論!Mリーグ【Thu】
これが發王位・白鳥翔だ!
衝撃のオーラス三倍満ツモ、
逆転勝利を呼び込んだ
我慢の戦い
文・東川亮【木曜担当ライター】2020年2月13日
「發王戦(りゅうおうせん)」という大会がある。
これは最高位戦日本プロ麻雀協会が1992年に創設した、トーナメント形式で行われるタイトル戦である。
他団体、そしてアマチュアも参加できるということで、昨年から今年にかけて行われた「第28期發王戦」にはプロアマ合わせて延べ1200人以上の選手が参加。
激戦を勝ち抜いて決勝に残ったのは、白鳥翔(渋谷ABEMAS)、瀬戸熊直樹(TEAM雷電)、園田賢(赤坂ドリブンズ)という3名のMリーガーに、日本プロ麻雀協会の矢島学。
第28期發王位の白鳥翔です!!
やりました!! pic.twitter.com/QgxPjInmQ9— 白鳥 翔 (@s_Shochan0827) February 11, 2020
2月11日に行われた決勝戦は、全5半荘の4半荘目が終わった段階で全員に現実的な優勝の可能性があるという大激戦となった。
この競り合いを制して優勝に輝いたのが、決勝に残った4選手の中で最年少となる白鳥だった。
なお、現在Mリーガーとして活躍している選手でこのタイトルを獲得したのは、瀬戸熊、石橋伸洋(U-NEXT Pirates)、松本吉弘(渋谷ABEMAS)に次いで4人目となる。
2/13の第1回戦、渋谷ABEMASが白鳥を先発に起用したのは、ビッグタイトルを獲得した勢いをそのままチームに持ち込んでほしいという思いの表れだろう。
第1回戦
南家:小林剛(U-NEXT Pirates)
チームやファン・サポーターの思いと裏腹に、この日の白鳥には苦しい展開が続いた。
なかなか手が入らず、他の選手の先制リーチなどの攻撃を受けて、まわったりオリたりという局面が続く。
大きな失点こそないものの、ツモられたり小さな放銃をしたりで、ジリジリと点棒を削られていった。
2度の親番はいずれも継続できず、気づけば一度もアガリのないまま、白鳥はラス目でオーラスを迎えていた。
ただ、2着確保であれば、必要な条件はツモなら満貫から。
赤ありのMリーグルールであれば、ある程度現実的な条件が残っていたのは幸いだった。
特に渋谷ABEMASはTEAM雷電、U-NEXT Piratesに対してはチームポイントで上回っているものの、その差はわずか。
この2チームの上に行けるアガリは、非常に大きな意味を持つ。
そんな白鳥の、オーラスの配牌。
明らかにマンズが多い。
しかもドラが、チンイツまで伸ばせれば鳴いてもハネ満に仕上げられる。
役満・九蓮宝燈の2シャンテンまで手が育ったところから、白鳥はをポン。
さらにをポンしてカン待ちのテンパイを入れる。
このままツモれば2着、内川からの直撃ならトップだ。
11巡目、ドラのを引いてさらに手変わりの選択が訪れる。
待ちを待ちの三面張にするか、待ちのシャンポンにするか。
シャンポンに受けて高目をツモればチンイツドラ3、倍満で文句なしのトップだが、待ちとしては弱い。
また先ほど書いた通り、白鳥にとってはハネ満ツモの2着も非常に価値が大きい。
待ちの広さ、アガリやすさを重視し、白鳥は待ちのハネ満テンパイを選択。
その後、引きで再度シャンポン待ちとの選択になるも、白鳥は待ちを変えない。
全員が受けに回る中、最終盤で白鳥の元にさらにマンズが来る、何萬だ?