トップ率46%の男、
TEAM雷電・本田朋広の
トップ取り麻雀を
ABEMAプレミアムで
刮目せよ
2023年6月15日D卓 文・東川亮
4人で行う麻雀というゲームにおいて、トップになる確率は単純計算で25パーセント。その数字をいかに上げていくかが、いわゆる「麻雀を強くなる」ということになる。特に、30パーセントを超えるトップ率の打ち手は、よほどのトップラス麻雀でない限りは、一定の強さがあると言ってもいいだろう。2022-23シーズンのMリーグでも、トップ率が30パーセントを超える打ち手は全員がシーズンの成績をプラスで終えている。
そのなかも突出した数字を残していたのが、TEAM雷電・本田朋広である。28戦13トップ、トップ率は驚異の46.4パーセント。
そんな彼にとって、Mトーナメントは自身の力を示す格好の舞台かもしれない。もともと本田は、自団体のトーナメントによるタイトル戦、そして麻雀最強戦などで勝ちまくって台頭してきた打ち手だ。特に、2戦勝負で行われるMトーナメントのレギュレーションは、どちらかの試合でトップを取ることが突破に大きく近づく。およそ2回に1回トップを取れる男がその力を発揮すれば、少なくとも決勝までは勝ち進む可能性は非常に高いことになる。
本田の初戦となる予選D卓では、確率通り2戦目にトップを獲得。首位で2ndステージへと駒を進めた。今回の記事では、彼が2戦目で見せた、2つのリーチ判断について振り返っていく。
なお、本試合はABEMAプレミアム限定配信だったため、キャプチャ画像が撮れなかったことをあらかじめお伝えさせていただく。
対局の模様はこちらから
■高打点確定、リーチをするか否か
2戦目の東4局1本場(ドラ1s)、本田に6巡目で上図の47m待ちテンパイが入った。点数状況は開局時の起家から、以下のようになっている。
本田:31700(+17.4)
阿部:31500(▲14.9)
関:10300(▲68.2)
(親)岡田:26500(+65.7)
※カッコ内は初戦の成績
本田の手はタンヤオピンフイーペーコー赤赤、ダマテンでも出アガリ満貫、ツモってハネ満という手である。初戦2着で通過ポジション、2戦目も微差ながらトップに立っている本田としては、ダマテンでの満貫でも十分なアドバンテージになりそうだ。
しかし、本田はリーチをかけた。出アガリでもハネ満が確定、ツモって一発か裏が絡めば倍満と、この手のマックス打点を見たのだ。その動きはよどみなく、発声はノータイム。本田としては、テンパったらリーチと決めていたのだろう。
ここに応戦したのが岡田。トータルトップ目で無理をする立場ではないが、ピンフの3メンチャンと待ちが強いこともあり、本田の宣言牌の裏スジであるを切って追っかけリーチ。
岡田としては初戦のリードがあること、そして初戦2着の本田のトップは自身が下の2人に抜かれにくい状況を作ることにもつながるので、放銃もある程度覚悟しての攻めだったという。
結果は岡田がを掴み、本田に12000は12300の放銃。岡田としては想定より高い失点になってしまったとのことだが、それも本田が強気にリーチをかけたことによる結果である。
■ドラなし役なし愚形テンパイ、リーチをするか否か
南2局(ドラ東)、5巡目で本田に先制テンパイが入った。点数状況はこのように変わっている
本田:39000(+17.4)
(親)阿部:28500(▲14.9)
関:22300(▲68.2)
岡田:8200(+65.7)
※カッコ内は初戦の成績
第2試合に関しては現状でやや抜けたトップ目、ライバルとなる阿部の親番を蹴ることができれば勝ち上がりに大きく近づくが、現状役もドラもない愚形待ち。
ここから打点を上げるとしても、たとえば三色変化は遠く、3枚しかない赤牌に頼るくらいしかなさそうである。
しかし、本田はを切ってのカン待ちでリーチをかけた。いわゆる「モロ引っかけ」で読みスジには入るとしても出アガリ率は待ちより多少高く、何より役がついてアガれることが大きい。打点よりもとにかくアガリ、すなわち阿部の親番をつぶすことを優先した。
このとき、阿部の手は上図のように好形の1シャンテンだった。阿部としても最後の親番は何としても連荘したいため、打点は2900に下がって不満は残るものの、本田の宣言牌をカンチャンで鳴いて待ちテンパイ。もし本田がまごまごしていたら、阿部から好形高打点のリーチが飛んできていたかもしれない。
一発こそ消えたが、本田はすぐにをツモ。最終的には、この700-1300が勝敗を決したアガリになった、と言ってもいいのかもしれない。
■Mリーグ・Mトーナメントの振り返りはABEMAプレミアムで!
今回は本田の印象的な2つの場面を取り上げたが、対局には他にも見どころがたくさんあった。
●第1試合
・東4局2本場(4:53:20頃):阿部の止めと3人テンパイのぶつかり合い
・南3局(5:13:48頃):岡田の鋭い片アガリ仕掛け
●第2試合
・東2局(5:55:35頃):本田が阿部のリーチに対応しながらのアガリ
・南1局(6:20:01頃):関の望みをつなぐフリテン3メンチャン高目ツモ
・南3局(6:30:02頃):阿部の逆転を狙った勝負リーチ
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最後に、ABEMAプレミアムに加入したら絶対に見ていただきたいコンテンツとして、僕からは今年の元日に行われたプロレスリング・ノアの「グレート・ムタ vs SHINSUKE NAKAMURA」をオススメさせていただく。
あまりのかっこよさやドラマ性に感動して泣きそうになった試合で、今でもたまに見返している。