内川がペン
をツモった。
手牌が開かれる。
3000、6000は確定。
裏ドラ2枚以上なら、倍満でトップ……!
中田が、静かに祈る。
裏ドラは乗らないでくれと。
内川が手を伸ばした先──
裏ドラは、乗らず。
胸に満ちていた緊張が口から漏れ出るように、中田が大きく息を吐いた。
Ⅿリーグ最終週第1試合。
中田がチームにとって値千金の、トップ獲得となったのだった。
BEASTXは絶好調。これでチーム3連勝。
中田はファイナルでの初トップとなった。
内容に関して、「少し弱気だった」と振り返っていた中田。
確かに、南4局0本場のシーン、受け入れを減らして安全牌を持ったシーンは、弱気な選択に見えた。
ただ、それもまた、大きな経験。
今シーズンたくさんのことを教えてくれる新チームメイトの下石戟に聞けば、反省点を全て教えてくれるはずだ。
今日の内容も、完璧とはいかないかもしれないが、それでも中田はこの3年間で飛躍的に成長している。
インタビューで自身の内容を振り返る姿は、もう初年度の姿とはまるで違う。
それだけで、彼女の努力の量が伺えるというもの。
たくさんのファンを笑顔にしてきた偶像の少女は。
麻雀でもたくさんの人を笑顔にしている。
今日は、これだけの舞台で、強敵揃いのメンバーを相手に、笑顔で戦いに向かい、そしてインタビューでも笑顔を見せてくれた中田。
今週の金曜日、全てが決する。
願わくば今日のように。
最後まで、笑顔で。
最高位戦日本プロ麻雀協会47期前期入会。麻雀プロ兼作家。
麻雀の面白さと、リアルな熱量を多くの人に伝えるため幅広く活動中。
Twitter:@Kotetsu_0924















