瀬戸熊直樹と、クマクマタイムという時間【Mリーグ2026-27 観戦記 10/20 第2試合(麻雀ch)】担当記者 カイエ

日吉「今年、来てますね」

小林「今年、何回か見てる気がする・・・」

日吉「やってますよね? やってはくれてます(?)、この男!」

瀬戸熊、強し。
東4局では止めた。南1局では押した。そして最後は、残り1枚を引き切った。

流局無しのスリリングな展開の中、瀬戸熊の和了回数は、圧巻の7回を数えた。
さらにMリーグ成績速報(非公式)様の情報提供によると、瀬戸熊ここまで8試合の和了率は35.78%に及ぶのだという。これがどれほどヤバい数字なのかは100÷4が計算できる皆様なら、すぐに判るだろう。

これで8戦6勝目。
最多勝レースにおいても、同卓していた太に並んだ。
さらに個人獲得ポイントは429.5に達し、1戦あたり実に50ポイント以上を稼いでいる計算になる。ちなみにMリーグルールのトップのウマオカが+50Pである。

凄い。凄まじすぎる。
和了率も平均獲得ポイントも、バグのようなチートのような数字だ。

試合後、瀬戸熊は前回のトップインタビューと同様、今日のような強者とのめくり合いを「楽しめている」と語った。強者にのみ許される余裕の発言。だが、全く嫌味を感じさせない。心の底から麻雀を愛し、麻雀に人生を捧げ、長きにわたり一線で戦ってきた真のプロであることを、誰もが知っているからだ。その者だけに許される境地が「楽しい」という、ある種の到達点なのだろう。最高にハイってやつ。

さらに前々回の試合、竹内元太に断トツのトップから追い詰められた苦い経験から、南3局の3巡目での【中】と【5マン】のシャンポン待ちリーチのように、先制できる時はしっかり先制(リーチ)すると、決めていたそうだ。
ちゃんと反省し、しかもそれが活きている。
実際、この局は【5マン】の方で太から仕止めたわけで、仮にリーチしていなければ役無しでアガれなかったところだった。

勝利を糧に、勝利を重ねる。
まさに、充実の好循環。
その循環がやがて竜巻を起こし、卓上の暴君の復活と君臨を導くであろう。

ノストラダムスの大予言に、そうした一篇があったとかなかったとか。

個人ポイントでチームさえ超える男は、今夜もまた、桁外れの数字を積み上げた。

ユニバースを中心としたファンの声援に背中を押され、強気で打てているという瀬戸熊。この好調がずっと続くわけでないことは、誰よりも知っている。
だからこそ今は、充実したこの「時間」を大事にしたい。

かつてクマクマタイムとは「卓上の暴君」その人が、時間を独占することの謂いであった。
しかし、令和の今では、少し違うのかもしれない。

なぜなら、Mリーグは個人競技ではなく、最高の団体競技だからだ。

だからその「時間」は、仲間を内包している。
声援を送るユニバースも、そこにはいる。
そして、彼ら彼女らの想いを受け取って、いま、心から麻雀を楽しむ瀬戸熊直樹がいる。

彼と、彼を想う人々とが、同じ夢を見る時間。
その一瞬に、幾千もの時間が織り重なっている。

かつて卓上の暴君が独占した「時間」は、いつしか、多くの人々の想いが交差する「場所」になった。

だから、クマクマタイムは終わらない。

たとえ連荘が途切れても。
たとえ勝利の風がやんだとしても。

誰かが彼を信じ、祈り、彼がその想いに応えようとする限り。

その時間は、いつだって「ここ」にある。

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