テンパイし、何の迷いもなく
切りリーチ。シャンポンではなくカンチャンを選択。
直前に上家の太から
が切られた瞬間、決めたのだという。わずか2秒の思考。
太もテンパイ。だが、役無し。
まだ南場の入口でラス親もあるとはいえ、ペンチャンや単騎で親のリーチに向かっていくのは、勇気でなく無謀だろう。ここは現物の
切りとし、仮テンの
単騎待ち。
すぐに瀬戸熊から
が切られるも、当然アガれず。
リーチなら一発でとらえられていたが、さすがに結果論。
なんと複雑な来方をするツモであることよ(詠嘆)。
を切れば
が無い
–
待ちだが、それもフリテン。
そこで、暗槓とした。
現状ラス目につき、アグレッシブに戦う。太の持ち味だ。
そして、そのままリンシャン牌をツモ切りリーチ!
待ちの
はついさっき瀬戸熊から放たれ「通った」現物。
しかも暗槓したのは
だけにリャンメンもなく、これは盲点中の盲点。今シーズンのベストオブ盲点大賞最有力候補の誕生だ。
同巡、航もテンパイ。こちらも七対子・ドラドラの勝負手。
しかし、
中空で、牌が舞うようにくるりと回転し、
撓(しな)る指先から、目にも止まらぬ速さで卓上に叩きつけられた。
トルネードだ。
強打の不快さはそこにはなく、ただ胸がすくような、心地よい牌の音が響いた。
リーチ・ツモ・赤・ドラ2=4000は4100オール。
瀬戸熊直樹、一気にトップ奪取。
強い。
守るべき牌は止める。そして、勝負すべきところでは敢然と踏み込む。東4局の冷静な守備があったからこそ、この親満ツモがいっそう、鮮やかに映る。
南1局2本場
さらに瀬戸熊が先制リーチ。
しかしこの
–
待ちは山に1枚しかない。
Hey,尻!
航だ。瀬戸熊の当たり牌である
を3枚持っている。
そして追っかけリーチ。
ただし、上位互換かと思われたこの変則三面張待ちは、やはり山に1枚。
すなわち
のめくり合いだ。
デジャヴュ、かな?
指を捻り、そのまま真っすぐに下ろし、またしても
をトルネードでツモって勝負あり。
鳥肌物の、リーチ・ツモ・トルネ-ド・裏1=2000は2200オール!
いわゆるアヤッ牌ってやつだな。
日吉「これ、始まるやつですよ、剛さん。麻雀にもし、勢いや風があるなら」
日吉「これは来てますね」
小林「・・・点棒が来てますね」
確かにそのとき瀬戸熊は、他家から「来ている」点棒を集めるのに夢中なのであった。
日吉「瀬戸熊もたまにもう、皮肉に笑って言うんですよ」
南3局
日吉「クマクマタイムなんてもう随分やってねーよと」
日吉「そんなもんねーよって言うんですけど」












