テンパイを外す覚悟、三色を追う決断─ 黒沢咲と石井一馬、勝負の先に待つ明暗【Mリーグ2026-27 観戦記 10/20 第1試合(麻雀ch)】担当記者 飯盛裕美子

テンパイを外す覚悟、

三色を追う決断─

黒沢咲と石井一馬、

勝負の先に待つ明暗

文・飯盛裕美子【火曜担当ライター】2026年10月20日

10月20日、Mリーグ2026-27シーズン、麻雀ch第1試合。この試合は、トップ目が目まぐるしく入れ替わる大接戦となった。中でも印象的だったのは、目先のアガリにとらわれず、高打点を追い求めた黒沢咲と石井一馬の手組みだ。

何を優先し、何を捨てたのか。二人の選択から、その思惑を探ってみたい。

第1試合

東家:阿久津翔太(KADOKAWAサクラナイツ)
南家:黒沢咲(TEAM雷電)
西家:石井一馬(EARTH JETS)
北家:鈴木たろう(赤坂ドリブンズ)

実況:日吉辰哉 解説:小林剛

■ 目まぐるしく変わるトップ争い

東1局1本場、先にアガリを決めたのは鈴木たろう。阿久津が【發】を暗カンした後にリーチをかけ、一発で5200点を直撃する。

続く東2局、今度は一馬がリーチ・ツモ・平和・タンヤオ・ドラ1の2000・4000をツモアガリ。早くもトップ争いに加わった。

さらに東3局ではたろうが黒沢とのリーチ合戦を制して1000・2000をツモ。

東4局には阿久津がリーチ・ツモ・タンヤオ・ドラ3・赤1・裏1の4000・8000を決め、一気にトップ目へ浮上する。

開局から東4局までにトップ目が次々と入れ替わる、なんとも慌ただしい展開だ。

そしてこの後、一馬と黒沢が印象的な選択を見せる。

 

■ 受け入れを狭めても、三色を追う一馬

南1局、一馬が見せたのは、345の三色同順を強く意識した手組みだった。

西家の一馬のこの手牌、【3ソウ】【6ソウ】、【3ピン】【6ピン】の両面両面のイーシャンテン。自風の【西】を暗刻にしており、受け入れを優先するなら打【赤5マン】か打【3マン】が候補に挙がる。

一馬が選んだのは【1ソウ】。【3ソウ】【6ソウ】の受け入れを捨て、【赤5マン】を生かしながら345の三色の可能性を残す選択だ。

リーチ・ツモ・【西】に一発か裏ドラが加われば、満貫も十分に見込める手牌。あえて効率を落とす選択は、通常なら取りにくいのではないだろうか。【3ソウ】【6ソウ】が悪いという情報も、カン【4マン】が良いという情報もない。

それでも一馬は、受け入れ枚数よりも打点を優先した。

次巡、絶好の【4マン】を引き入れ、見事に高め345三色のテンパイを果たしてリーチ。

この選択には、一馬自身とチームの置かれた状況も影響しているのだろうか。試合前、EARTH JETSは10チーム中最下位。一馬自身もラスが重なり、苦しい戦いが続いていた。

だからこそ、受け入れの広さよりも高打点を求めたのかもしれない。

結果は流局。それでも、この一局の一馬の打牌には、勝負に懸ける熱が感じられた。

■ 黒沢のテンパイを外す覚悟

南3局1本場。苦しい展開が続く黒沢の前に、阿久津がわずか2巡目でリーチを放つ。リーチ・平和・赤。

その2巡後、黒沢にも平和のみのテンパイが入る。

実況・解説が「これはさすがにリーチか」と話す中、黒沢の手が止まる。

リーチを選ぶかと思われたが、黒沢は静かに【1マン】を河に置いた。

【1マン】は阿久津に対して安全牌ではない。それでもテンパイを外したのは、打点を高めるためではないだろうか。

 

【2マン】【4マン】【5マン】【6マン】、あるいは【2ソウ】【3ソウ】【4ソウ】【5ソウ】【6ソウ】を引けば、タンヤオ・平和への変化が見込める。索子ならイーペーコーの可能性もあり、うまくいけば跳満まで狙える手だ。放銃のリスクを負いながらも、手牌の価値を最大限に高め、一つでも上の着順を目指す。その強い意志が感じられる。

 

そこへ絶好の【5ソウ】を引き入れ、打【2マン】でリーチ。リーチ・タンヤオ・平和、高めイーペーコーだ。

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