ゼウスも迷う 鈴木たろうのリーチ判断【Mリーグ2026-27 観戦記 10/29 第1試合(麻雀2ch)】担当記者 喜多剛士

さらに松本は次局、3巡目にポンテンの満貫テンパイを入れる。圧巻のスピードだった。阿久津から直撃を奪い、たろうとの差を一気に縮める。東場の悔しさを晴らすかのような猛追が始まった。

 

南4局

松本の連続アガリによって点差は1000点まで縮まり、勝負のオーラスを迎える。

満貫の直撃で失点して着順アップが難しい阿久津は、【中】をポンして仕掛けラス回避にシフト。

阿久津の仕掛けに対し、親の松本もすぐさま反応した。【白】をポンして打【2ピン】。リャンメンターツを2つ残したイーシャンテンに構え、親番維持へ全力で向かう。

トップ目のたろうも【8ピン】をポンしてタンヤオに向かう。

ただし、たろうの立場は難しい。前に出て阿久津へ2000点を放銃すればトップから2着へ転落する。着順ポイントまで考慮すると、その損失は42000点にもなる。アガリを目指したい一方で、無警戒に踏み込める状況ではない。

そんな中、阿久津がカン【2マン】を引き入れてテンパイ。

たろうが放銃すれば松本が逆転トップ、阿久津がツモればたろうの逃げ切りトップ。

卓上の緊張感が一気に高まる。

しかし、たろうも負けていない。カン【4ピン】をチーしてテンパイを入れる。

ここまで来た以上、自らアガり切って決着をつけたい。

阿久津とたろうのめくり合いの勝負はたろうに軍配が上がった。

【赤5マン】を引き入れてツモアガリ。タンヤオ・赤2の1000-2000。

たろうの逃げ切りで終局となった。

2着の松本は、東場で裸単騎との競り合いに敗れる苦しい展開。それでも南2局、南3局と大きなアガリを決めてトップ目前まで迫った。しかし、あと一歩届かず悔しい2着。チームの連敗を止める連闘で連続2着と役目は果たしただけに、今日こそはトップを持ち帰りたかった。

阿久津はアガリを重ねながらトップ争いに加わったが、南3局の松本への放銃が痛恨だった。高速で入った満貫テンパイに捕まり、最後はその失点が響いて3着となった。

朝倉は何度か勝負手が入るもののアガリには結び付かず、この日はノー和了。苦しい展開のままラスに沈む結果となった。

そしてトップはたろう。裸単騎でのアガリはまさに持ち味全開。さらに南1局1本場では、自ら「苦手」と語るリーチ判断に迷いながらも修正し、4000オールを決めた。そしてオーラスでは松本と阿久津との痺れるアガリ競争を制して勝負に終止符。内容、結果ともに存在感を見せつけ、嬉しい今シーズン2勝目を手にした。

 

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