「部屋とMリーグとゼウスと僕」〜鈴木たろうの純恋歌〜【熱論!Mリーグ】担当記者:ゆうせー

が相当通りそうだったのもあるが、

の形になるのでは使い切って回りやすい牌だったこともあろう。

そして、

 

チーに備えた本日2度目のこのフォーメーション。たろうはまだオリてはいない。復活を見ている。

 

小林のに合わせて多井から打たれた

このをチーして、たろうはテンパイ復活。

 

多井からすると、を合わせたのは、たろうに小林のアガリをつぶしてもらおうという狙いもあったと思う。

 

その後、たろうはを引いて

のテンパイ。このまま流局と思われたその時、

 

小林のアタリ牌であるをつかんでしまう。テンパイ料も捨てがたいが…

 

悩んだたろうが出した答えは、

 

中筋のでオリ。親の多井やライバルの瀬戸熊もオリていることから、ここは自身の致命傷を避けたカタチだ。

 

2度のビタ止め。小林の1件テンパイとなった。

 

この局、最初から最後まで、たろうは一打一打大切に選択しているのが痛いほど伝わってきた。

 

大切。大切、か…

 

僕は、彼女のことを大切にしてきたのだろうか。明けても暮れても麻雀ばかり。一緒に電車で移動してるときも天鳳の観戦。ご飯を食べるときも麻雀動画を見ながら。

 

「私と麻雀、どっちが大事なの?」

 

彼女の質問が、頭の中でリフレインする。

 

どっちが大事かなんて、そんなの比べられないことくらい彼女も分かってる。

 

そうか。あの質問は、

 

『比べられないくらい大事なんだから、私のこと、もっと大切にしてよね!最近愛が足りないよ!』

 

っていう、彼女のSOSだったんだ。それを僕は…

 

「さっきはごめん。僕にはやっぱり〇〇がいなくちゃダメなんだ。大切な人なんだ。」

 

すぐに、今すぐに伝えないと。スマホを取り出して、電話をかける。

 

…トゥルルルル …トゥルルルル

 

ダメだ。出ない。あのとき、すぐに追いかけていけば良かった。もう手遅れなのか…

 

【南2局1本場】

落ち込む僕をよそに、対局は進んでいく。

 

親番のたろう、

 

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