ここで少考して、
打とする。さらに、
次巡を引いて打とした。さらに、
をポンして打とした。この一連の選択にはゼウスイズムが詰まっている。
もちろん、中打点の喰いタンに向かったのもあるがそれだけではない。
①注目を浴びている親番で両面ターツを払っていくことによって、他家に「いい手だぞー」と圧力をかける。
②両面ターツを払った後さらに副露を入れることで、「テンパイかも」と思わせて他家を回らせたり降ろしたりする。そうすることで実際は愚形残りのイーシャンテンである自分の手のアガリ率&テンパイ率を上げる。
③副露時にを切ってを残したのは、中張牌を余らせてテンパイ臭を出すためと、
全員の安全牌を確保するため。
どうだろうか?これまでもこうやってたろうは、威圧の神風を吹かせることで、他家を引かせながら自分のペースで親番を進めてきたのだろう。
結果は、アガれこそしなかったものの、中盤にこのテンパイを入れて、
一人テンパイで流局。トップの瀬戸熊に迫る。
思わず対局に見とれてしまっていた。ハッとしてスマホをみても、彼女からの着信はない。
一度切った牌は二度と元に戻せないように、僕と彼女ももう元には戻れないのだろうか…イヤだ。そんなのはイヤだ。でも…。鳴らないスマホを恨めしく眺めた。
【南4局】
トップの瀬戸熊まで9000点差の2着目で迎えたオーラス。
たろう、逆転してくれ…
打としてホンイツに構えたたろう。次巡、
をツモって打。
あれ?ホンイツは見ないのかな?
その後、自風のが河に並んでも気にする様子もない。そして、
ここで少考。たろうの出した答えは、
打。なんで??と思った僕だが、次巡のツモでたろうの狙いが明らかになった。
そう、たろうは2巡目にをツモった時点で567の三色を見ていたのだ。
なるほど、とあっても使う想定であれば、567三色が浮かび上がってくる。
だからずっとに手をかけなかったのか。
役牌1種でのホンイツは鳴いても満貫には届きそうにない。染めるならチンイツにするため役牌は切っていき、打の時点で『チンイツと567三色』の両天秤にかけたのだ。そんな両天秤、聞いたことがない。
そして、