またしてもドラまたぎのだった。一難去ってまた一難。
前原はを押したときと同じだけの時間をかけて考え
を抜いた。一緒に見ていた寿人プロが
「を切った意味がなくなるからも押すべき」
と言っていたが、私が前原の代弁をしよう。
さきほどを押したときはまだ残り筋が8本残っていた。
を通したあと、リーチ者の多井がをツモ切り、残り筋は6本になったのだ。そして巡目も減った。さきほどよりかなり状況は悪くなっていると言えよう。
「を押したのだから、同じ手牌でを押す」
というのも一見理にかなっているように見えるが
「ギリギリ迷ってを押す判断を下したのだから、次の危険牌はデッドラインを超えたと判断してオリる」
というのも筋が通っている。
多井が闘志をむき出しにし、朝倉は情報を拾おうために場を凝視し、そして村上が顔を真っ赤にして悔しさをにじませた。そんな3人に囲まれても前原は飄々と、自然体で攻撃を繰り出していった。
結局この日連闘した前原は2着→1着と好成績を収め、チームの躍進の始まりになった。
開局、村上のリーチに一発で切った、そして多井のリーチに切ったが「格闘倶楽部の反撃ののろし」であったように見えてならない。
「寿人、高宮…戦う姿勢は見せた。俺の後に続け…!」
年明けの格闘倶楽部に注目である。
(C)AbemaTV
麻雀ブロガー。フリー雀荘メンバー、麻雀プロを経て、ネット麻雀天鳳の人気プレーヤーに。著書に「ゼロ秒思考の麻雀」。現在「近代麻雀」で戦術特集記事を連載中。note「ZEROが麻雀人生をかけて取り組む定期マガジン」、YouTubeチャンネル「ZERO麻雀ch」