「ポン」という呪文と共に、魚谷はなおも運命に抗い続ける。
時間はかかったが、なんとかテンパイを入れた。
しかし、これで終わりじゃない。
黒沢から押し出されたこのをすぐさまポン。
魚谷のポン発声は非常に早い。
このも、出てきたらテンパイでも鳴こうと決めていたはずだ。
これでの満貫テンパイ。
そしてこの鳴きが、思わぬ方向に影響する。
形式テンパイを入れていた小林にドラのを掴ませたのだ。
さすがの小林もこれは降りるしかない。
結果的に3人テンパイを2人テンパイにすることに成功した。
たった500点の差だが、これが後々大きな意味を持ってくる。
逆転ルートをかろうじて残した、オーラスの親番。
最速マーメイド・魚谷には、むしろ鳴いてくださいと言わんばかりの手だった。
すぐさまをチー、をポンして待ちのテンパイ。
時間はかかったが、何とか最終手番でツモって2000オールを加点した。
粘りに粘った魚谷だったが、今日の反撃はここまで。
その親番は、同点トップという意外な形で終わりを告げた。
魚谷自身は悔しそうだが、それでも出来る限りの最善手は尽くしていた。
ただ待って4着を受け入れるよりも、運命に抗って鳴く道を選んだ。
傍観しての4着よりも、精一杯戦って4着の方が、視聴者も応援したくなる。
昨シーズンは下位に沈んだセガサミ―だが、今年はチーム全体で粘り強さが増しているように見える。
まだまだこれから。気持ちを切り替えて次戦に臨んでほしい。
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