「ポン」という呪文と共に、魚谷はなおも運命に抗い続ける。
時間はかかったが、なんとかテンパイを入れた。
しかし、これで終わりじゃない。
黒沢から押し出されたこの
をすぐさまポン。
魚谷のポン発声は非常に早い。
この
も、出てきたらテンパイでも鳴こうと決めていたはずだ。
これで![]()
の満貫テンパイ。
そしてこの鳴きが、思わぬ方向に影響する。
形式テンパイを入れていた小林にドラの
を掴ませたのだ。
さすがの小林もこれは降りるしかない。
結果的に3人テンパイを2人テンパイにすることに成功した。
たった500点の差だが、これが後々大きな意味を持ってくる。
逆転ルートをかろうじて残した、オーラスの親番。
最速マーメイド・魚谷には、むしろ鳴いてくださいと言わんばかりの手だった。
すぐさま
をチー、
をポンして![]()
待ちのテンパイ。
時間はかかったが、何とか最終手番でツモって2000オールを加点した。
粘りに粘った魚谷だったが、今日の反撃はここまで。
その親番は、同点トップという意外な形で終わりを告げた。
魚谷自身は悔しそうだが、それでも出来る限りの最善手は尽くしていた。
ただ待って4着を受け入れるよりも、運命に抗って鳴く道を選んだ。
傍観しての4着よりも、精一杯戦って4着の方が、視聴者も応援したくなる。
昨シーズンは下位に沈んだセガサミ―だが、今年はチーム全体で粘り強さが増しているように見える。
まだまだこれから。気持ちを切り替えて次戦に臨んでほしい。

都内のAI企業で働くエンジニア。観戦記ライター3年目。現在は仕事の合間を縫って都内の様々な雀荘、麻雀BAR、大会に出没中。














