史上初の同点トップを呼び込んだ、小林剛の地道で緻密なテンパイ取り【熱論!Mリーグ】担当記者:東川亮




熱論!Mリーグ【Thu】

史上初の同点トップを

呼び込んだ、小林剛の地道で

緻密なテンパイ取り

文・東川亮【木曜担当ライター】2019年10月31日

「大和証券Mリーグ」2019年のレギュラーシーズンがはじまり、ちょうど1ヵ月が経った。2シーズン目となったMリーグは、10/31で全チームが20試合を戦ったところだが、まだ日程の1/4も消化していないにもかかわらず、語りたくなるトピックスが次から次へと生まれている。

全体を見れば新チーム・KADOKAWAサクラナイツの躍進や、前年度王者・赤坂ドリブンズのまさかの不調。個々の試合では、近藤誠一(セガサミーフェニックス)の史上初となる役満ツモ(大三元)、そして瀬戸熊直樹(TEAM RAIDEN / 雷電)が、こちらもMリーグ史上初となる四暗刻をアガった。

また、前原雄大(KONAMI 麻雀格闘倶楽部)が繰り出した勝利後のポーズや、オーラスでハネ満を見逃し逆転トップの倍満をツモるという劇的なデビュー戦を見せた丸山奏子(赤坂ドリブンズ)は、Mリーグの枠を飛び越え、Twitterのトレンドにまでなるほどだった。

そしてこの日の第2回戦では、これまたMリーグで史上初となる、新たなトピックスが生まれた。

岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)と小林剛(U-NEXT Pirates)による、「同点トップ」である。

第2回戦

東家:黒沢咲(TEAM RAIDEN / 雷電)

南家:岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)

西家:小林剛(U-NEXT Pirates)

北家:魚谷侑未(セガサミーフェニックス)

南4局1本場、トップ目に立つ岡田と2着目の小林の持ち点には、「17600点」の差があった。岡田が小林に満貫(8000点+1本場300点)を放銃したとしても、両者間で詰まる点差は「16600点」、1000点分岡田が小林を上回ってトップを守れる点差だった。

そう、「だった」のだ。

後のない親番の魚谷がリーチを打つまでは。

これで1000点が供託になったことによって、小林が岡田から満貫をアガった場合、詰まる点差は「17600点」となったのである。

 

 

その認識に誤りがあったという岡田は、魚谷にアガられて試合が続くのを嫌い、ロン牌であるをつかんだタイミングで、魚谷の現物であり、ドラのをポンしていた小林に放銃し得るを打った。

岡田は試合後に思わず「間違えた・・・」とつぶやき、勝利者インタビューで詫びていたが、この辺りは岡田の経験の少なさがでてしまった、というところか。

さて、半ば幸運にも見える同点トップを獲得した小林だが、そこに至るまでには彼の地道で緻密な麻雀が存分に発揮されていた。

この試合は全部で11局あったのだが、なんとそのうちの半数近い5局が流局だった。過去の試合を見ていくと、1試合あたりの流局回数は1~2回というのが平均であることから、この試合は特別流局が多かったと言える。

ここで、流局した5局でのテンパイ料収支を見てみよう。

一目瞭然である。小林は流局時のテンパイ料で、1人だけ4000点ものプラスを積みあげていたのだ。

小林と言えば、鳴きを駆使したフットワークの軽い麻雀で多くのアガリをものにする選手だ。アガったときの打点は比較的低い傾向にあるものの、その手数で細かく加点しつつ相手の大物手を潰して失点を減らす、というスタイルである。つまり、それだけテンパイをすることが多い打ち手ということだ。

東1局、小林の配牌。がトイツでソーズが多め、さらにドラのが手牌に組み込まれている。ホンイツに仕上げて最低満貫、引き次第ではハネ満以上も見えるかもしれない。

しかし、小林は染めない。2巡目でできたピンズの両面を生かし、よりアガりやすいテンパイを目指す。すぐに打たれたをポン。打点も3900あれば十分、というところだろう。最終的には、最初に引いたを使っての待ちテンパイで1500点のテンパイ料を得た。

東2局待ちのテンパイで先制リーチ。アガれず流局も、この局も2人テンパイで加点をする。

その後、小林は岡田に8000点クラスの放銃を2度してしまうも、3件リーチを制して魚谷から12000は12900点をアガリ、ほぼ原点で東4局へ。

小林はこんな配牌から、できるだけ字牌を残しながら手を進める。必要以上に手広く構えず、守備用の字牌を残すのが小林の打ち方だ。

 

そして13巡目、手牌がドラであふれかえっている岡田のをチーしてテンパイ。流局し、3人テンパイで1000点の収入。

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