ここで考えなければならないのは、
『このがどれくらいあたるか??』
という可能性の問題だ。
リターンこそ存在するものの白で放銃した場合にはその瞬間、最悪18000の放銃を覚悟しないといけない。
魚谷はこう続ける。
魚谷『色々読んで、当たる可能性が約20%と考えて勝負した』
ここからも読みの話が続く。
重要なのはこのシーン。

先刻も見た、トイツ落としの局面だ。
魚谷『 XXX YYとあったのなら
を切る選択をするのはあまりないと感じ、
が手にないのではないか?と考えた』
たしかに、のトイツが並べられると、他のプレーヤーは「
よりいいトイツで待っているのでは?」と考えるだろう。そうすると、渇望している西と白を両方止められてしまう。という読みだ。
と
が両方トイツなら
は選ばれにくそうだ。
となると、他のトイツはなんだろう?という次の思考になるわけだが、

魚谷『がアンコかトイツだと、この打
から読んだ』
6巡目にを切っているにもかかわらず、ここまで
が手の内にあるということは
を持っている可能性が高くなる。(横に使う場合には
か、残り1枚の
がないと、
を浮いたまま持っていたということになる)
さらに、トイツで持っている候補は他にもある。今まで挙げたものも含めて、下の7枚に含まれているトイツまたはアンコは、









このあたりだろう。もちろん魚谷の手牌や他家の手牌を読んだ内容から、石橋が持っている牌の可能性に濃淡はある。それをいったん置いておいて、この8種類からシャンポン受けになっている2種類をランダムに選ぶとすると、全部で28通り。そのうちが含まれているパターンは7通り。
前提も計算方法も相当ざっくりしているのをご容赦願いたいが、これだと石橋の手にがある可能性は25%。
がやや濃いとなるともう少し下がるはず。魚谷自身も『20%』と読んでいたので、当たらずとも遠からずと言ったところではないだろうか。選手は卓上で判断しなければならないのだから大変だ。
ただ、やはり前提に多少無理があると感じた読者の方も多いのではないだろうか?
なぜそう感じるのかというと、
『石橋の手にがトイツであるにしても、1枚であるにしても、
から仕掛け始めるには手牌に
がある可能性が高い』
と思うからではないか。なんとなく体感でも分かる気がするが、理詰めで説明すると、

本日三度目の登場。トイツ落としの場面。
1枚目のを切る前は、
①XXXYY Z ツモZ
ポン
② XXX YY ZZ ツモ
ポン
のいずれかだ。
これで、①の場合はZで1枚持っている牌は白の可能性が高いだろう。場況をみても、浮き牌としての残す価値が高い牌はほかになさそうだ。
また、②のパターンでは白が手に無い
例
ポン
こんな感じの手牌では、西を持つのがコワすぎる。
…と、ここで、
魚谷『1枚パターンならチートイツにするんじゃない? 鳴いてトイトイなら
切るか』
あれ?そんなことないような… トイツ
トイツの、
ポン
もあるし…
魚谷『1枚で仕掛け出して、途中で重ねたパターンの想定が抜けてた…』
なんと。苦悩しながら短時間で考えをめぐらせたなかで、

と入れ替えだした、この瞬間に
が重なっていたパターンが想定から外れてしまっていたのだ。
魚谷『1枚からの仕掛けだと、
持ってるね。最後まで重ならずに、
を切ってくれたら
絶対に切らないんだけど…』
やはり、仕掛けが入ったという時点で、を持っている可能性は高く、当たらないアンコのパターンを除いても、25%のラインは大幅に超えてきそうに思う。
着アップの可能性よりも、ここはをきって放銃する可能性の方がかなり高そうだ。
は打たないほうがいい、という結論に落ち着いた。
ちなみに、実戦での結果は…

魚谷から石橋へ18000の放銃だった。