大接戦のオーラスを経て、萩原聖人は復調することができるのか?【熱論!Mリーグ】担当記者:ゆうせー

思わず顔をしかめる萩原。

痛恨の4着落ちとなってしまった。

オーラスの選択、特にを鳴かなかった判断はミスと言わざるを得ないように思う。コメントやSNSを見ても、雷電ファンの落胆ぶりを痛いほど感じて切なかった。

ただ、人間は誰でもミスをするもの。大事なのは、そのあとにどうリカバーするかではないだろうか。

実はこの日の1試合目に、チームメイトの黒沢もミスをしていた。

このシーンだ。ここで黒沢は、

とした。456の三色を見落としてしまったのだ。

だが、黒沢はミスはミスと割り切って前を向いた。手拍子で切ってしまうことは誰にでもある。大事なのは気持ちを切り替えて戦うこと。

引きずることがなかったからか、この後の黒沢の内容には目を見張るものがあった。

なかでも、東4局、滝沢のリーチを受けた黒沢は、

ひるむことなくと無筋を切り続ける。

次巡、

を引きもどして打をアタマに固定し、一通の目を残すとともにテンパイしたときにリャンメン以上になるように手を組んで、良形での押し返しを狙った。

次巡、

危険牌のを引いて、ワンチャンスのを打つ。

さらに次巡、

がくっついて現物の打

そして、

テンパイした!

残り2枚のをとらえ黒沢のアガリとなった。

結局この半荘、黒沢は80000点オーバーの大トップを決める。

さらに素晴らしいのは、

勝利者インタビューで、一番印象に残った局は?と聞かれ、黒沢は、456の三色を見落とした局、と答えたのだ。

先週の魚谷もそうだが、自分のミスを全国の麻雀ファンの前で認めるのは容易ではない。黒沢の実直さと真摯な姿勢を強く感じた。

また、別のチームではあるが、

この日は滝沢も自身のミスを悔いていた。麻雀に対してどこまでもストイックであるからこそ、このように反省しすぎるほど反省し、それを昇華して滝沢は自分の雀力へと変えていっているのだろう。

話を萩原に戻すが、今シーズン中盤戦に差し掛かったあたりからやや本調子を欠いているように私には感じられた。身上の粘りが影を潜め、今日のオーラスのような淡白な放銃が目立ってしまっていると思う。

黒沢が苦しいときは、萩原と瀬戸熊が支えた。萩原が苦しい時は、瀬戸熊と黒沢に頼ればいいのではないだろうか。

雷電は、選手全員に華があるチームだ。3人とも爆発力があって、大きなトップを取る力がある。

ただ、毎試合毎試合大トップをとれるものではない。今日の2試合目のようにトップが極めて厳しい半荘では、しっかり順位をキープして次戦へ繋ぐのも、リーグ戦でありチーム戦であるMリーグでは必要ではないだろうか。

黒沢が華麗なるトップをとって、萩原が耐えに耐えて2着でしのぐ。これを「面白くない」と思う雷電サポーターは果たしているだろうか??

そして、また機が巡ってきたときには、萩原がトップをとって雷電ユニバースを思う存分沸かせてくれたらいいのだ。

 

 

今週の試合が終わると、Mリーグは2週間ほどのお休み期間に入る。

Mリーグの顔、萩原聖人

静養期間を経て、決めるべき選択をビシッと決める萩原の姿を、雷電ファンは待ち望んでいるに違いない。

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