均衡を破るきっかけを生んだフリテン残し Mリーグ2021、最初の勝者は松本吉弘!【Mリーグ2021観戦記10/4】担当記者:東川亮

均衡を破るきっかけを生んだ

フリテン残し 

Mリーグ2021、

最初の勝者は松本吉弘!

文・東川亮【月曜・木曜担当ライター】2020年10月4日

ファイナルの激闘、その末に訪れたEX風林火山の初優勝からおよそ4ヵ月半。4シーズン目となる大和証券Mリーグ・2021シーズンが開幕した。今シーズンから全チームが4人編成となり、選手は過去最多の32名。実績・実力十分の打ち手からこれから大きな飛躍が期待される打ち手まで、多様な顔ぶれがそろった。

また、リーグが歴史を積み重ねると共に、スポンサーの数も増えてきている。昨シーズンから継続している「大和証券株式会社」「株式会社朝日新聞社」「トレンダーズ株式会社」「株式会社ローソンエンタテインメント」に加え、今シーズンからは「株式会社データX」「日清食品株式会社」「ニューラルポケット株式会社」の3社が新たにリーグスポンサーに名を連ねた。その中で日清食品は出現確率約10万分の1と言われる役満「地和」をアガった選手に同社の人気商品であるカップ焼きそば「UFO」をなんと一生分プレゼントするとのこと。Mリーグはファンの応援はもちろん、こうした企業のバックアップもあって、さらに盛り上がっていくことだろう。

10/4開幕メンバー

第1回戦

東家:松本吉弘(渋谷ABEMAS)

南家:松ヶ瀬隆弥EX風林火山

西家:岡田紗佳KADOKAWAサクラナイツ

北家:園田賢赤坂ドリブンズ

Mリーグを応援する人々が期待するのは何よりも、熱く、面白い闘牌だ。開幕戦は昨シーズンのファイナルを再現する組み合わせとなり、EX風林火山は新戦力の松ヶ瀬隆弥をこの舞台に抜擢した。いずれ劣らぬ勝利への気持ちがぶつかり合ったことが、終盤までもつれる拮抗した試合展開を生み出した、というのは言い過ぎだろうか。

2軒リーチが流局して迎えた、東2局1本場
ドリブンズ・園田がMリーグ2021、最初のアガリを決める。【2ソウ】ポンからのカン【7マン】テンパイをツモって500-1000は600-1100、仕掛けで主導権を取って局を制する園田らしいアガリで、この局松本が出したリーチ棒も含め、供託3000点もさらった。

ただこの局、松ヶ瀬がタンヤオドラ1の1シャンテンから【6マン】【4ピン】とある程度強い牌を押している。受け駒の中を残しつつギリギリまで攻める姿勢は、あるいは松ヶ瀬がMリーグ仕様としてチューニングしてきた部分だろうか。

東3局、親番を迎えた岡田だったが、手の内はお世辞にもいいとは言えない。アガリまでは相当に時間がかかりそうだ。

だが面白いもので、あの手がわずか6巡目でドラドラ赤赤のチートイツ1シャンテンになる。麻雀におけるシャンテン数は、どんなに悪くても6シャンテン。つまり、どんなに6巡あればテンパイまでたどり着く可能性がある、ということだ。

さて、どうしてもアガりたいこの手、何を切ってどこを目指すか。【發】ポンなどを考えれば、まだメンツ手も見られないことはない。

岡田の選択は【赤5ソウ】切り。通常では打点の種となる赤牌だが、この手がチートイツに仕上がった場合、リーチを打てばドラ3でもドラ4でも打点が変わるケースがあまりない。そこでアガリやすさを重視するなら、最も弱いのが1枚切れの【5ソウ】ということだ。また、【3ソウ】待ちテンパイになったときには【赤5ソウ】切りが迷彩になる

次巡、狙い通りであろう【3ソウ】待ちのチートイツでリーチ。これを決めれば開幕戦勝利に大きく近づく。

だが、岡田の勝負手は松本のさばき手によって成就ならず。

全員が2万点台で迎えた南2局、松ヶ瀬に勝負手が入る。親番でのドラ3リーチだ。

しかも松ヶ瀬は4枚目のドラ【7ソウ】を引き入れて暗カン、他者へ強烈なプレッシャーをかける。ツモれば6000オールスタート、最高のMリーグデビュー戦を予感させる。

しかしアガれず流局、均衡はまだ崩れない。

次局は松本がカン【3ソウ】チー、【白】後付けで動き出すと、あっさりとアガって松ヶ瀬の親を蹴る。園田の【3マン】【3ソウ】という切り出しに速度を感じたか、臨機応変な対応に思えた。

実際、園田は打【3ソウ】の時点でこの形。それなりの打点の先制リーチが飛んできた可能性が高く、ここは松本のファインプレーだったと言えるだろう。

南3局、松本の手が止まる。2巡前にカン【7マン】ターツを払っていたが、裏目の【7マン】を引いてしまった。ここから何を切るか。

選択はフリテンターツ残しの打【7ソウ】。この局は既に【9マン】が3枚切れ、しかも2巡目と3巡目に1枚ずつ切られていた。序盤でそれだけ【9マン】が不要ということは、手の内にも【8マン】がないと考えられる。つまり【8マン】がまだ山に残っており、フリテンでも引き戻せるという読みがあったのだろう。

狙い通り、松本はフリテンの【8マン】を引き戻して絶好の3メンチャンテンパイ、もちろんリーチだ。

これをツモって2000-4000、この試合初の満貫で、一気に突き抜けた。

最終局、3番手の松ヶ瀬が先制テンパイを入れる。ただ、このままだと【東】【3マン】のシャンポン待ちでリーチドラ1の2600となり、園田を逆転して2番手に浮上するためには、ツモか直撃、そうでなければ一発か裏と、多少の条件が求められる。一気通貫や三色の変化を待てばハネ満ツモの逆転トップすら見える牌姿だけに、外すことも考えられた。

だが、松ヶ瀬は少考の末にリーチを選択した。確かにオタ風の【東】はシャンポンとしてはいい待ちであり、アガリは取れそう。下手に手をこねて敵に先手を取られるよりも、先制して押し切る道を選んだ格好だ。そして松ヶ瀬は試合後、リーチすることで園田がノーテンでも2着キープができる状況を作り、押し返されにくくする展開にする考えもあったことを語った。また「普段ならテンパイを外していそう」とのことなので、もしかしたらチーム戦を考えたところもあったかもしれない。

ここは松ヶ瀬がツモって1000-2000で2番手に浮上してフィニッシュ。これが松ヶ瀬の、Mリーグ初アガリとなった。

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