熱論!21人のMリーガー
萩原聖人・チーム雷電
〜苦悩の2か月を越えて
Mリーグの星を目指す男〜
文・真中彰司【TEAM RAIDEN担当ライター】
Mリーグロス、そして雷電ロスの皆様に贈るこのコラム、私の担当も早3回目。
というわけで今回は…ついに!萩原聖人選手の紹介!
かつてモンドや最強戦で芸能界最強雀士として名を馳せた萩原。
そして「萩原聖人がプロ入り」という衝撃のニュースが流れたのが2018年7月だ。
Mリーグドラフトでは雷電から1位指名を受け、華々しくデビューを飾った。
「魅せる麻雀」を掲げてプロ入りし、Mリーグに乗り込んできた萩原。
しかし、道のりはそう簡単なものではなかった。
10月1日の開幕戦で連投するも、これといった見せ場は作れず3着4着。
その後も苦戦が続き、チームも下位に沈む苦しい展開となった。
重い雀風が仇となり、周りのスピードについていけなかったのだ。
副露率がしばらく0%のままだったことも話題になり、萩原は「大丈夫か?」という逆の意味でも注目されるようになってしまった。
しかし、萩原は徐々にその振る舞いを修正していった。
まず批判の多かった所作を直し、10月18日の試合ではペイントを取り入れるという斬新なスタイルで出場。
ドラ暗刻の手牌をカンのチーから喰いタンでまとめるなど、これまで封印していた鳴きも使って柔軟な手組みを見せた。
オーラスの押し引きも綺麗にまとめ、この半荘で待望の初トップを獲得。
インタビューでは
「紆余曲折ありましたが、ひとまずホッとしました」
と語った。
しかし、本当の紆余曲折はこの先にあることを、この時は誰も知る由が無かった…
その後も強敵相手に健闘を続けるが…トップが取れない日々が続いた。
11月の萩原の戦いぶりは、まさに雪原に立つ針葉樹のようだった。
全く手が入らないというわけではないのだが、とにかく速度と手数が足りない。
速い展開に翻弄されてなかなか活路を見い出せない状況だった。
もちろん、ボーっと座って何もしなかったわけではない。
他家の進行から面前では間に合わないと判断し、カンをチーして喰いタン2000点のイーシャンテンに取ったり…
ある時は親番を続けるために序盤からを1鳴きしてポンテンを入れたり…
とにかく勝利に向かって試行錯誤を続ける日々だった。
そんな中でも、トップを取るために四暗刻へのこだわりを見せたり…
跳満ツモを目指してメンホンに向かったりと、萩原聖人ならではの粘り強さとしぶとさも節々に見ることができたが、どれも結果には結びつかなかった。
結果が出せていない以上、どうしても打ち筋や言動が批判されてしまうものだが、萩原は何一つ反論せず、結果を出すことのみに集中し続けた。
そして黙々と耐え続けた11月を終え…転機は12月に訪れた。
12月7日(金) 第2試合
この日の第1試合では黒沢が大トップを飾っていた。
パブリックビューイングということもあり、非常に盛り上がる中での一戦。
親番で石橋のリーチを受けた萩原。
「だけど今度は ちょっと違うんだ 昨日の僕とは」
そんな歌声が聴こえたかのように、萩原はを切った。
実はは石橋への当たり牌。以前の萩原なら、にくっつけ直して組み変えていたかもしれないが、相手のリーチという絶体絶命の状況が萩原を変えた。
結果的にこの局は引きのリーチを掛けて7700のアガリ。
この局が転機となり、順調に加点してトップへの道を突き進んでいった。
しかし、そこに立ちはだかったのは高宮。
親番で猛烈に加点し、萩原を追いかける。