それはビールへの冒瀆のせいなのか…わたしの“キレスイッチ”女流プロ雀士【百恵ちゃんのクズコラム】VOL.15

と思い、起きたら病院に行こうと決意した。

翌朝、病院に電話し高熱が出ていてインフルエンザの疑いもあることを伝えてから病院に向かった。
駅に向かうバスは一時間に一本程度しかなかったため、百恵ちゃんは高熱の中、自転車で病院に行った。冷えピタにマスク、ベタベタの髪の毛、ボロボロの自転車に乗ってフラフラと運転する百恵ちゃんはかなり気持ち悪かったと思うがほとんど人とすれ違わないのが田舎のいいところでもある。

病院につくと体温計を渡され41度を記録した体温計をこれ見よがしに看護師さんに見せるとすぐに診察してくれた。
インフルエンザ検査恒例の鼻グリグリと尿検査ををなんとかこなし、検査結果を待っている間、別室に案内された。

本格的に隔離されるのかとドキドキしたが案内されたのは検査器具が置かれていてポツンとベッドがあるだけの簡素な部屋で百恵ちゃんは大変ガッカリした。そんな部屋にナースコールなんかはあるはずもなく、看護師さんが「なんかあったらこれで呼んでください」と大分年季の入った鈴を渡してきた。

「なめてんのか」

と言いかけたが相手は大人だったのでやめた。

百恵ちゃんの命はこのショボい鈴に託されているのかと思うと心許なかったがそのまま爆睡した。

しばらくして呼び出され、診察室に行くとお医者さんに

「41度なのに自転車で来たって本当ですか?(笑)」

とバカにされた上、

「あ、インフルエンザの検査は陰性でした。尿検査も異常なかったです。解熱剤出しておきますね〜」

と呆気なく診察室を追い出された。

自転車でさえ来なければちゃんと診察してもらえたんじゃないか、ひとおもいに鈴を鳴らせばよかったのか、と思ったが、もはやどうでも良くなってきた百恵ちゃんは大人しく薬をもらって帰り道も自転車で帰宅した。

あまりに適当な診察だったが解熱剤はよく効いてくれたのですぐに回復した。

ちなみにこの病院に度重なる適当な診察を受け続けた百恵ちゃんは今でも病院が大嫌いだ。

ちなみに関係のない歯医者さんもサボっている。

次回は2月6日(木)午前0時更新予定‼︎

【田渕家登場人物紹介】

父 コージ:元陸上自衛隊幹部高卒ながら佐官まで登り詰めるも「髪型が奇抜すぎる」という理由で100年に1度あるかどうかの異動の内示取り消しをされた経験がある。現在は三度目の暖かな家庭を築いている。

・母 イクコ:美容師。美容室を自宅で開業するもパチンコにハマり開店休業状態を約20年続けた猛者。おそろしいほど料理が下手。ツーブロックにしたことがある。近況を知らせる連絡では年下のペンキ屋さんとお見合いをしたらしい。

・姉 タエ:無職。1度も定職に就いたことがなく家賃を滞納してはクビが回らなくなりお父さんに払ってもらいに帰ってく るお調子者。過去に大きな交通事故に遭いウン百万円もの保険金を手にするが全てホストクラブに費やした経験がある。

・エリー:田渕家の飼い犬。詐病のプロ。足をひきずったり弱ったふりをしては人間に甘やかしてもらう。動物病院で『至って健康』という診断をされるとそれまでの弱りっぷりを忘れ、凛々しい顔で帰ってくる。趣味は父の顔に噛みつくこと。オスだが思いつきでエリーと名付けられた。

・マイちゃん:母親同士が同じ美容師で仲が良く、物心がつく前から一緒にいた幼なじみ。かなりの美人だが偏差値は2くらいしかない。現在は3人の子供を産み働きながら育てているが一度も結婚したことはなく、更に子供たちは全員父親が違うという斬新なファミリーを築いている。そして最近ロシア人の子供を産んだばかり。

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