タンキが自分を狙っての
ものだとすぐに気が付いただろう。
南場に向けて気持ちを引き締めなおしているように見えた。
南2局
を引き入れて手牌がぐっと引き締まった。
ピンズのホンイツが見えるため、ここではマンズのペンチャンか
切りが良いだろうか?
しかし白鳥は
切り。
「さっき丁寧に字牌を残すって言ったじゃないか!」
という声が聞こえてきそうだ。
しかしよく見てみるとすでに
が2枚切られている。
いくらホンイツとはいえ
を引く前に東から仕掛けるのは少し遠いだろう。
ペン
を引いて
頼みになってもやむを得ないとの判断だ。
を引いてここでも打![]()
一気にホンイツは見ない。
しかし前原が切った
はチー。
を切ればイーシャンテンだが
切り。
はツモ切り。
全く不要な
を引っ張る。
その後
を重ねてようやく
切り。
が鳴けた!
ここで
を切ってテンパイ。
白鳥の河はこうだ( )はツモ切り
(
)![]()
![]()
(
)![]()
![]()
字牌と
が
や
より前に切られており、ピンズのホンイツには見えない。
待ちが
しかないので、警戒されて簡単には出てこないのは間違いないが、白鳥はトップ目だ。
バックで安い手なら―と誰かが切ってくれるかもしれない。
ホンイツじゃないとアピールするだけでアガれる可能性が全然違うのだ。
瀬戸熊からリーチが入って、白鳥の仕掛けとリーチに挟まれた前原。
ほら、こういう
がぽろっと出るのだ。
切らない!!
前原は現物の
を抜いた。
白鳥の技が掛かったかに見えたが、前原はさらにその上を行った。
白鳥の手役を想像すると、789の三色の可能性はあるが、自分が
暗刻なこともあり可能性は低い。
残る可能性は役牌だ。見えてないのは
と
の2種類。
ホンイツには見えないので安いだろうが(実際はホンイツ)かなり危険な牌であることは間違いない。
対して自分の手は赤赤ドラドラで是が非でもアガりたい手。
白鳥の仕掛けが1000点だろうが2000点だろうが放銃してしまっては元も子もないのだ。
前原が
を掴んでいるとはつゆ知らず、白鳥が引いたのは通っていない![]()
ここは安全牌の
を落とす。
これは仕掛けたときからの予定通りだ。
そして次の巡目に打
。
1巡の後先で放銃を回避した。
もっとも、この後
を切ってすぐにオリに回ってしまったので、もともとあまり攻める気はなく、ただベタオリした結果だったのかもしれない。
しかしながらこの1巡の攻防は息をのむものがあった。
結果は瀬戸熊の2000/4000ツモアガリ。



















