おう
オレは園田賢
あきらめの悪い男
文・東川亮【木曜担当ライター】2022年12月8日
大和証券Mリーグ2022-23、危機的状況を迎えている赤坂ドリブンズ。12月8日の試合が始まる前の段階ではマイナスが400台後半まで膨らみ、第1試合は鈴木たろうが劣勢を跳ね返して2位で試合を終えたものの、依然最下位という状況は変わらない。
第2試合に出場した園田賢は、東1局の親番で2局連続満貫をツモり、早々に3万点以上のリードを築いた。しかし、対戦相手はMVP経験者2名に歴代最高スコア記録保持者である。果たして園田は、ここからチームにトップを持ち帰ることができたのだろうか。
第2試合
東家:園田賢(赤坂ドリブンズ)
南家:魚谷侑未(セガサミーフェニックス)
西家:黒沢咲(TEAM雷電)
北家:多井隆晴(渋谷ABEMAS)
東1局2本場。魚谷は4巡目の1シャンテンを取らず、のターツ落とし。が暗刻で、横の牌を引けばより良い受けができるため、この巡目のペンチャンターツは不要。を重ねてのタンヤオリーチでもOKだ。
引きはうれしい変化の一つ。これで678三色も狙えるようになった。
しかしこの局の先制は多井。切りでの待ちに取らずにのシャンポン待ちとしたのは、の高目が2枚切れ、の打点的メリット、の狙い目具合などがあるだろう。
追っかけリーチの園田がをつかんでしまい、
裏ドラは乗らずとも、2600は3200。リーチ棒も合わせ、じわりと園田に迫る。
東2局、「麻雀星人」がさらなるすごみを見せる。が重なってチートイツ1シャンテン、ドラドラ赤で打点は十分、さらにはトイトイや、究極的には四暗刻も見える形。ここから何を切るか。
ぐるっと卓内を見回して情報を精査し、多井が選んだのは
。トイツ手と考えた際、他者に持たれていて最も重なりにくく、後に打ち出すとしても危険な牌だと見たか。とは言え打点的なメリットやメンツ手なども考えると、残したくなる牌ではある。
次巡、園田がイーペーコーのカン待ちでテンパイ。多井としては、一手早くロン牌を処理できていた形に。
多井はメンツ手にも行ける形を保っていたが、を引いて暗刻のを切り、チートイツへ。
テンパイするやいなや、残したをツモって2000-4000。精度の高いチートイツで、園田を追撃する。
続く東3局。自風のを鳴いていた多井は、上家の黒沢から打たれたをスルーすると、を引き入れて1シャンテン。最終的にはドラのを打ち出すことになりそうだが、中盤以降に安手を目いっぱいに構えるようなことはしない。を打ってあくまでもスリムに構える。
そして、テンパイしたら打つ。序盤にピンズやソーズを赤含みでバラバラと切り、にドラと手出ししていることで、相手からはかなりホンイツを警戒されそうな河を作っている。このあたりの工夫もさすがだ。
園田は元よりオリ気味、魚谷もチートイツでテンパイしたが、ドラなし赤なし待ち悪し、テンパイ打牌もマンズになるということで、テンパイを取らない。アガリにせよ一人テンパイにせよ、多井の思惑通りに事が進んでいるように見えたが・・・
黒沢がギリギリでテンパイを入れて連荘。やはり、一筋縄ではいかないメンバーである。
東4局、園田は1巡目から自風をポン。形が整っていることもあり、積極的に仕掛けていく。2番手・多井の親番は、一刻も早く終わらせたい。
もう一つ仕掛けてテンパイ一番乗りを果たすと、あっさりツモって400-700。多井の親を落として局を進める。
流局で迎えた南1局1本場。中盤に差し掛かるところで、園田の手は赤含みの好形が残った1シャンテンに。
ただ、既に役なし単騎テンパイを入れていた黒沢が、亜リャンメンになるを引き入れて待ち変え、ピンフがついて出アガリができるようになる。とは言え、狙いはやはり789の三色だろう。
1シャンテンだった多井がツモ切ったドラを魚谷がポン。どんどん場が煮詰まっていく。
魚谷のドラポンに対してをツモ切っていく黒沢を見て、多井は撤退。
逆に、園田はそこへ突っかかっていった。魚谷の暗槓で裏ドラが2枚見られる状況。全員がピンズの下をバラバラと切っており、感触が良さそうな待ちでリーチをかけて勝負。
園田のリーチは黒沢にとって、ピンチであると同時に直撃チャンスでもある。ツモ切りで追っかけリーチ。ただ、この時点で園田のが山に5枚残りなのに対し、黒沢の待ちは1枚しか残っていなかった。5対1で1が勝つケースも麻雀なのであるにはあるが・・・