おう オレは園田賢 あきらめの悪い男【Mリーグ2022-23観戦記12/8】担当記者:東川亮

だいたい5が勝つ。

黒沢が【1ピン】をつかんで放銃、裏が1枚乗っての7700は8000。この加点は大きい。

南2局、先制リーチは多井。丁寧にターツを選び、安全牌を残しながら打点のある手を組み上げた。

園田としては、2番手の多井への放銃は絶対に避けたい。オリだけを考えるなら、現物としては【4ピン】【6ソウ】【6マン】などがある。

だが、園田はスジとはいえ通っていない【9ソウ】を切った。先に挙げた牌は、何を切ってもテンパイからは遠ざかる。なんとかテンパイを取って差を詰めさせないようにしようという園田の粘り。

手を崩さなかったことで、テンパイまでたどり着いた。【5マン】【8マン】待ちは役がないが、ツモアガリは可能。そしてもうひとつ、

「ロン」

ホウテイロン、1300。

最終打牌のみロンできるというレアな役で、多井のリーチと共に、形式テンパイを入れていた魚谷の親を蹴ることに成功した。

次局も園田がピンフドラ赤、3900をダマテンで多井から出アガリ。リードを広げながら局をつぶし、最後は多井が黒沢に放銃して決着。

11月17日以来、3週間ぶりに、対局場がドリブンズグリーンで彩られた。

序盤から園田が大きくリードした一戦だったが、最も彼らしさが出たのはやはり、南2局のホウテイロンだったと思う。あのタイミングでしかロンできない牌が出たのは幸運だが、リーチに対して漫然とオリるのではなく、ギリギリまでテンパイやアガリに向けて粘ったことで手繰り寄せた結果とも言えるだろう。いまだ最下位のドリブンズだが、まだシーズンは半分以上残っている。彼らはきっと、ここからがしつこい。

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