だいたい5が勝つ。
黒沢がをつかんで放銃、裏が1枚乗っての7700は8000。この加点は大きい。
南2局、先制リーチは多井。丁寧にターツを選び、安全牌を残しながら打点のある手を組み上げた。
園田としては、2番手の多井への放銃は絶対に避けたい。オリだけを考えるなら、現物としてはや、などがある。
だが、園田はスジとはいえ通っていないを切った。先に挙げた牌は、何を切ってもテンパイからは遠ざかる。なんとかテンパイを取って差を詰めさせないようにしようという園田の粘り。
手を崩さなかったことで、テンパイまでたどり着いた。待ちは役がないが、ツモアガリは可能。そしてもうひとつ、
「ロン」
ホウテイロン、1300。
最終打牌のみロンできるというレアな役で、多井のリーチと共に、形式テンパイを入れていた魚谷の親を蹴ることに成功した。
次局も園田がピンフドラ赤、3900をダマテンで多井から出アガリ。リードを広げながら局をつぶし、最後は多井が黒沢に放銃して決着。
11月17日以来、3週間ぶりに、対局場がドリブンズグリーンで彩られた。
序盤から園田が大きくリードした一戦だったが、最も彼らしさが出たのはやはり、南2局のホウテイロンだったと思う。あのタイミングでしかロンできない牌が出たのは幸運だが、リーチに対して漫然とオリるのではなく、ギリギリまでテンパイやアガリに向けて粘ったことで手繰り寄せた結果とも言えるだろう。いまだ最下位のドリブンズだが、まだシーズンは半分以上残っている。彼らはきっと、ここからがしつこい。
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。