麻雀に年は関係ない!
卓上狭しと駆け回る
KADOKAWAサクラナイツ
沢崎誠のアクティブ麻雀
文・ゆうせー【木曜担当ライター】2022年1月6日
1戦目
東3局2本場、

目を見開く石橋の姿が。
目線の先は、


役牌を3副露している沢崎の河だ。
沢崎は、

まずを鳴いて打
とする。

続けてを鳴いて打
。

さらにを鳴いて打
。この3副露の間、沢崎は一度もツモっていない。

そして、次のツモ番で沢崎はを手出し。

そして、中盤にを手出しして、

石橋の切り番となったわけだ。

さて、沢崎の手はどう読めるのだろうか?
まず前提として、「沢崎は単騎待ちが濃厚」と言える。
それはなぜかと言うと、「手牌が残り4枚の沢崎が、最後に手出しをしたのが2枚切れのだから」である。
ション牌のを切ってまで残した
や、ドラの
よりもあとに出てきた
が、手に関連していないはずがない。
たとえば、
XX(雀頭)+A(孤立)+
こういうくっつきテンパイだと、先にや
が切られているのがおかしいということになる。よって手牌に
が関連しているのなら、
XXX(アンコ)+、もしくは、ABC(メンツ)+
のどちらかのケースからを切ったのが濃厚だろう。
さてここで、単騎以外の残り3枚の色は、マンズピンズソウズのどれが濃いか薄いかも、ある程度読むことが出来る。
の切り順を考えてみよう。仮にXXXやABCがマンズだとしたら、
よりあとに
が手に残るのは不自然だということになる。
はドラなので打点を見て残すこともあるだろうが、
を残すくらいならホンイツを見て
を残すのが自然だ。
逆再生して考えてみよう。
XXX(アンコ)+の例として、の
でテンパイしていたとすると、その前の段階は、
に
ツモ、もしくは、
に
ツモのどちらかだろう。
そのうち後者のに
ツモはそのさらに前の段階で、
にツモ
か、
にツモ
の可能性が高いが、これは先に述べたように
が残っていないのがおかしい。ション牌の
も残しそうなものだ。
残った前者のをさらに巻き戻すと、
に
ツモか、
に
ツモのどちらかとなる。前者は
を切っているのがおかしいし(もちろん
も)、後者の場合も
を残すのなら
や
を持つであろう。
ABC(メンツ)+の場合の逆再生は、
を例として考えてみよう。
前の段階は、か、
、
、
のいずれかだが、どれもその前の段階で
や
を切ってまで
を手に残していることを説明できない。相手の読みを狂わせるのが得意な沢崎でも、
の5枚から
を切ったりはしないであろう。
ということで、沢崎がを切る前の段階での、XXX(アンコ)+
、もしくは、ABC(メンツ)+
のXXXやABCはピンズかソウズである可能性が高いと読める。
さらに突き詰めると、ピンズやソウズや字牌を「アンコで持っていた可能性」もほぼ否定出来る。アンコなら
単騎で待つだろうし、みなさんも上の立体図を使ってあれやこれや考えていただきたいが、ピンズにしてもソウズにしても沢崎の河や切られている牌と合わせて考えると矛盾する牌ばかりだ。
ということは、沢崎の手はXXX+のホンイツオブトイトイではなく、ABC+
のホンイツであったと読める。
残り1枚しかないけれども出アガリが期待出来る、地獄単騎のを切ってまで選択した待ちだ。出来メンツABCと合わせたノベタンや亜両面が濃厚であろう。となると、
よりあとに手から出てきた
や
の周辺、特にドラでもないのに残されていた
の周りは危険だ。

ここはマンズを切るのがいいだろう。2巡凌げるが有力か。
ということを、



インタビューで石橋は語っていたのではないだろうか。
手を読ませまいと普段からまき散らしている、沢崎の変則的な切り順。それが石橋のアンテナを狂わせた格好だろう。