Mリーグセガサミーフェニックスの近藤誠一プロの新連載が近代麻雀10月1日発売号から始まる。
その名も「超麻雀脳~右脳を使えばあなたの勝率10倍アップ」
その第1回を発売より一足早く特別公開!
「左脳と右脳」という考え方
皆さん、こんにちは。最高位戦日本プロ麻雀協会の近藤誠一です。Mリーグでは、セガサミーフェニックスに所属しています。
私の麻雀の打ち方は、大きく分けて2種類あります。
- 理論的に打つ、左脳麻雀
- 感性で打つ、右脳麻雀 です。
脳の働きを左脳と右脳に分けて考える説は、まだ科学的には証明されていないことも多いらしいのですが、私は麻雀プロを目指していた頃に「脳内革命」(春山茂雄・著)という本を読んで、「これだ!」と思いました。脳の働きを左脳(理論)と右脳(感性)に分けて考えることで、自分自身のなかでいろいろなことが納得できたのです。
それ以来、私は個人的にこの「左脳と右脳」という考え方を自分の思考の中心においていて、必然的に、麻雀もそれに沿って打っています。
仕事柄、いろいろな人と麻雀話をするのですが、そのときによく
「近藤さんの麻雀はわからない」
と言われます。
「え? どういうこと? どこがわからないの?」という追及をしているうちに、「もしかしたら右脳で打ってる部分が皆さんには理解されていないのかな?」という気がしました。そこで、今回、私の麻雀を
- 理論的に打つ、左脳麻雀
- 感性で打つ、右脳麻雀
に分けて、分析してみようと思います。
感性で打つ麻雀は後から言葉がくっつく
麻雀を①理論と②感性に分けて語ろうとして、難しいなと思ったのは、
「感性で打つ麻雀の説明の仕方」です。
きっちりわかりやすく説明してしまうと、「それは理論的な麻雀じゃないか」と言われてしまいそうです。しかし、自分が実際に打っているときには「ここは理屈じゃない!」と思っていて、確かにその瞬間、右脳をフルに使った「感性の麻雀」なのです。しかし、後でいろいろな人と感想戦をしたり、インタビューを受けるにあたっては、言葉による説明が必要になるのです。
読者の皆さんに、「感性の麻雀」をわかっていただくために、もちろんいろんな言葉を使いますが、「感性で打ってる瞬間は理論的には考えてないよ」ということをぜひ、知っておいてください。
その一例として、2018年の最強位決定戦の戦いを見てください。
トップしばりの東1局、親のリーチに突っ張ったのは?
2018年最強位決定戦の決勝卓。メンツは次の通りです。
東1局
東家 野間一列(アマチュア最強位)
南家 片山まさゆき(漫画家・著名人代表)
西家 私
北家 渡辺洋香(最高位戦)
「この半荘に勝てば、最高位で最強位」という大一番です。
6巡目に、オヤの野間さんのリーチを受けたときの私の手牌は、こんなリャンシャンテンでした。
ドラここでの私は、はっきり言って、ほぼ何も考えていません。
そして、をツモり、を切りました。
そして、この局は自分がアガりました。……
「感性の麻雀」の説明としては、以上です。
でも、それでは皆さんにわかってもらえないので、少し説明を加えます。(以下の説明を読んで、「これは理論だ」と言わないでください。前述したように、ここで書いてあることは後から言葉にしたもので、打っている瞬間はこんなに長々と考えてはいません)
この局は、開始時に小さな事件がありました。嶺上牌のが全員に見えてしまったのです。局はそのまま始まりました。
オヤの野間さんは、リーチをかける前に少し考えました。そこで私は次のように感じました。
<今の少考は何だ? 愚形か? オヤなのでリーチが愚形である可能性はやや高い。しかし一方で、ダマでもマンガンある手で、リーチするかどうかを迷った可能性もある>
そして自分のツモは。
ツモドラここで、「まっすぐ行くか、回るか、オリるか」を決めるときには次のように感じています。
<東1局からオヤと勝負するのはどうなんだろう? いや、東1局だからこそ、オヤに放銃しても修復できる>
ここで私はを切りました。その後の変化は図の通りです。ドラ
ツモ 打ツモ 打リーチ
一発ロン
局の開始時に1枚見えてしまった待ちですが、直後に野間さんが