フラットな気持ちで臨む、
3年目の背水の陣!
Mリーグ2020開幕直前 チームインタビュー
「TEAM雷電」
このインタビューは10月5日のMリーグ2020開幕当日の試合直前に行われたものです。
文:東川亮
–開幕を控え、今の率直な心境を伺えますか。
萩原 個人的にはここ2年より、3年目頑張るぞという感じよりはフラットな気持ちですね。結局一度勝つまでは2位も8位も一緒だと思えば、一度勝つまでは毎年テーマは変わらないということになると思うので、チームカラーのテーマに沿った上で、さらに優勝ということを今年もかけて頑張ります。
瀬戸熊 やることは今まで20数年やってきたことと変わらないんですけど、その中でもMリーグは注目度は高いので、印象に残るプレーを一つでも多く残したいということと、その延長線上でチーム優勝と個人優勝も狙えると思うので、上を目指して、内容も結果もこだわっていきたいと思います。
黒沢 オフシーズンは妊娠、出産や新型コロナもあって、麻雀牌に触れていない期間がすごく長くて、その間に試合を見返したり、他の対局を見たりして、麻雀を打ちたい、楽しみだという気持ちがあふれかえっているので、今日から始まるMリーグ2020がとても楽しみです。体調は出産前よりもいいんですけど、体形がまだ戻っていないので、しっかり引き締めていきたいと思います(笑)。
高柳 ひと言で言うと「いよいよ始まる」ということで、すごく楽しみでワクワクしているという気持ちです。世の中は何事も自粛ムードになっているので、野球などのスポーツにしても中途半端な開催が多い中で、ちゃんと10月頭からスタートできるのはうれしいですし、僕自身も「またMリーグが始まる」というワクワク感でいっぱいです。同じメンバー、同じチームで3年目を迎えるので、今シーズンは3年目の正直、という背水の陣で挑みたいと強く思っています。
–今シーズンは背水の陣ということですが、オフシーズンでストイックに取り組んできたようなことはありますか。
萩原 僕なりに、今まで考えて信じてきたものが、口では「ブレないで打ちます」とか言ってきましたけど、やはり結果が出ない中で心の中でブレるようなこともありました。だけど一回原点に戻ろうと。僕は20何年前から、変な言い方をすれば、麻雀というリスクを背負ってきました。それをリスクと思ったことは一度も無いんですけど、それで表にいろいろ発信するというテーマ、麻雀って面白いんだよ、ということを本当に発信したくてメディアで打つことが多くなりました。その原点、今自分が結果を出すために面白いと思っていない麻雀を打つことはあり得ないなと。自分が「これは面白い、この麻雀が好きなんだ」ということをちょっと貫いていきたいなと。それはある意味ストイックかもしれませんけど、そういう思いはあります。
瀬戸熊 僕は麻雀の技術的な内容で言うと、昨年から取り組んでいるのが「三手先を読む」ということです。今までは直感とか自分の感性に従ってきたんですけど、ちょっと大人にもなってきたので、経験を生かして、三手先を見据えた麻雀を打っていこうかと思っています。今はそれを改良中で、自分の中ではだいぶ仕上がってきたので、それをお見せできればと思います。
黒沢 試合に臨むにあたって、寝不足だと絶対にいい試合ができないと思うので、この3ヵ月間で夜中にしっかり寝てくれる子どもに育てて、7時間くらい連続で寝てくれるようになりました。だから今は全く寝不足がありません。あとはお腹を減らさないよう、その二つを維持してしっかり戦いたいと思います(笑)。
–2年連続ファイナルに進出していない一方、女性選手で2年連続プラスが黒沢選手だけですが、打ち方についてはどう考えていますか。
萩原 野球で言えば打撃フォームやピッチングフォームを変えるとか、そういうことになるのかもしれないですけど、たとえられるようで麻雀ってあまりたとえられないんですよね。目先の数字が非常に大事なのはMリーグだと思っていますけど、そうじゃない裏側もあるのがMリーグだと思っているので、どうやったら麻雀に愛されるのかな、というのを黒沢さんにこれからご教授願おうかなと思います(笑)。
瀬戸熊 あくまで個人で優勝を目指せば自ずとチームの数字も上がると思うので、上に雷電カラーが3つ並んで、個人優勝を3人で争う形をとれればいいと思います。そうすれば圧勝なので、そこを目指します。
黒沢 成績だけ見ると、自分の力を考えるとできすぎだと思っていて、その中でお二人の妹分みたいな感じでのびのびとやらせていただいたこの2年間があったので、これからもよろしくお願いします(笑)。誰よりも楽な気持ちで楽しみながら打てたのが良かったと思っています。
–今シーズンは絶対にやらなければいけないシーズンだと思いますが、意気込みは。
萩原 僕らはそれなりにいい年、世間でいう大人で、会社員だと結構いい役職にいるような3人ですけど、この2年で麻雀だけでなくプロ、Mリーガーとして、どうやって人間的に成長してきたのかという部分も含めて、麻雀以外の部分でも1選手、人間として、それぞれのパーソナリティーで魅力的だというチームを3年目にして見せられたらと思います。だいぶ自粛緩和ムードもありつつ、それでも麻雀はコミュニケーションを近くで取らざるを得ないゲームなので、世の中的にはやれる人は減っているかもしれないんですけど、そういうことにならないように僕らも健康とかには本当に気を付けてやっていきたいです。