当たり前ですが、麻雀は和了ればいいというものではありませんし、振り込まなければいいというものでもありません。
どんな打牌にも「損得」があります。
微差の損得は、正直好みの問題で済ませていいかと思いますが、大差の損得は間違えるわけにはいきません。
問題
さて、今回は最強戦2021男子プロ歴代王者決戦より、沢崎誠選手の選択を見ていきたいと思います。
東南戦一戦勝負で、2位まで通過というシステムです。
沢崎選手は何を考えて、どうしたでしょうか?
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解答
打
解説
「え? どうするも何もツモじゃないの?」
と思ったあなたは、「損得」の計算をする癖がついてないと言えるでしょう。
ツモらない理由は至って単純で、ズバリ、その方が得するから! です。
麻雀七不思議の一つに、和了るよりテンパイ料の方が得をする、という状況があります。
今回の場合は、まさにそれが当てはまります。
それではここで、「損得」の計算をしてみましょう。
まず、そのままツモった場合です。
「そのままツモると、300.500で1100点の収入。ライバルの金選手とは1600点、他の二選手とは1400点差が開く」
これをベースに考えていきます。
和了らなかった場合を場合分けして考えていみましょう。
①全員テンパイの場合。もちろん誰とも差がつかない
②自分一人テンパイの場合。3000点の収入で、全員と4000点差が開く
③自分と誰か一人テンパイの場合。1500点の収入で、ノーテン者と3000点の差がつく。
④誰か一人ノーテンの場合。1000点の収入で、ノーテン者と4000点の差がつく
つまり、①の場合は明確に損ですが、②③は明確に得で、④の場合は収入だけならほぼ同じと言えるのです。
ここで問題になってくるのは、誰が張ってそうか? というところですが、これはもう自分で判断するしかありません。
全員の捨て牌を見てみましょう。
リーチがいなければ、仕掛けもいない。そして強い牌を切っている人もいません。
なんとなくですが、一人テンパイもしくは二人テンパイで終われそうです。
そしてここで大事なのは、誰がテンパイしていたら損かを考えることです。
今回は、ライバルは親の金選手です。ここがテンパイしているなら、絶対和了らないといけません。
逆に、金選手がノーテンとさえ読めば、和了ると損になります。
そして沢崎選手は、金選手をノーテンと読み切り、結果一人テンパイで3000点をもぎ取りました。
皆様もツモったから和了る! じゃなく損得を考えるようにしてみましょう。
それでは、また!