ケチなチーテン
拾う気なし……!!
強気のヴィーナス・
黒沢流「勝利の方程式」!
文・渡邉浩史郎【金曜担当ライター】2021年12月3日
11/30、一戦目は近藤による僅差を制したトップ。
二戦目は王の帰還、キング石橋の大きなトップ。
12/2、一戦目は魔王・寿人の再誕を告げる、衝撃の三倍満ツモからの大まくりトップ。
二戦目はあわや再びのMリーグレコード更新かと思われた、朝倉康心の10万点超えトップ。
そして本日一戦目、雷電・萩原の快勝かと思われたところにこれまで捲られ続けてきた男・松本が魂の3000・6000ツモでついに捲り返す側に立ってのトップ。
ここ最近のMリーグに訪れている状況。それはまさに「波乱」であり、これまで苦しんできた者たちの「下剋上」が始まったといえよう。
そして迎えた二戦目、やはり注目はこれまた今年度苦しんできている黒沢だろう。
強気のヴィーナスが波乱の展開を乗りこなし、チームの窮地を救えるか。
【東1局】
いきなり黒沢に大きなチャンス手が入る。
配牌ダブリーチャンスのドラドラ!
これを難なく5巡で聴牌。しかも引き入れたのは!”ドラをよく引く”でおなじみ黒沢であれば……
当然と言わんばかりのドラツモ!開幕3000・6000の大きなアドバンテージで場を制す!
しかし当然このリードで勝ちとはならないのがMリーグ。
【東2局】では白鳥がこの形からトイトイの発進。
これがみるみると伸び、園田のリーチを受けながらもこのイーシャンテンに。
大三元が見えるとはいえ、現実的にはもも一枚切れ。リーチにもも通っていないことからここはどちらかの役牌落としになるかと思われたが……
白鳥の選択は打!
が四枚見えており、園田に当たるのはほぼ待ちの形のみ。とはいえ既に通っていない筋は7筋しかないのも事実。ここはトップを見た白鳥のかなり強気な一打が飛び出した。
一方こちらはリーチを受けて現張り三面張ダマテンとしていた黒沢。、、と通してきたが……
残り6筋で白鳥にも危ないを持ってきては勝負にならない。このためのダマテンと言わんばかりにを切って回った。
現張りとはいえ親の三面張ピンフ聴牌を黙テン。数理的にはほぼリーチの一手だが、自身の和了牌より先に先に園田の当たり牌を持ってきて止めるその姿は、まさに「強い時の黒沢」の復活を予感させるにふさわしい一局となった。
【東3局1本場】
やはりとでもいうべきか、黒沢のトップに待ったをかける打ち手が現れる。
沢崎誠、その人である。親番リーチタンヤオツモドラ裏の4000は4100オールで一気に逆転。
注目すべきは上家黒沢の捨て牌が曲がっていることであろう。
黒沢はこの形の聴牌。今通った待ちの現張りといえど、一番打点上昇幅が大きいピンフドラドラの手。ここはリーチでぶつけに行く価値ありと判断した。
【南1局】
沢崎が少し加点して南場に突入。
この局の先制リーチは親の園田だったが……
すぐに追いついて聴牌!
園田のほうが待ちの枚数が多く、黒沢ピンチかと思われたが……